来年5月!神戸世界パラ陸上の足音そろり 「東京の遺産生かしたい」ボランティアに応募続々 学校観戦会も

学校観戦会をはじめ神戸世界パラ陸上の成功に向けて準備を進める大会組織委のスタッフ=神戸市役所

 来年5月に神戸市で開かれる世界パラ陸上競技選手権大会への関心が高まっている。運営を支えるボランティアの応募は定員を上回り、学校観戦会は想定を超える3万人以上が希望した。大会組織委員会は観戦会の交通費や入場料の支援を企業に呼びかける寄付事業「ONEクラス応援制度」を始めている。(有島弘記)

 大会は東アジア初開催。同市須磨区のユニバー記念競技場で行われ、約100の国と地域から選手約1300人が参加し、来年8月のパラリンピック・パリ大会の前哨戦に位置付けられている。

 ボランティアは5月から募った。近年、日本開催の国際大会は人材が集まらず、有償に切り替えることが多いため、組織委は経験者が登録するウェブサイトに情報を流すなど工夫。定員を220人上回る1420人が集まり、「レガシー(遺産)を生かしたい」と2021年の東京五輪・パラリンピックを経験した人が約3割を占めたという。

 学校観戦会は子どもたちが障害について理解を深め、共生社会の実現につなげようと企画した。県内の小、中、高校、特別支援学校に呼びかけ、100校を超える約3万人の応募があった。

 組織委によると、観戦会は平日午前が中心。平日は集客全体で1日3千人を目標にしていたが、人気を受けて1日5千人に上方修正した。

 企業に募る寄付は1口5万円で、保護者の費用負担なく子どもたちが会場に行けるようにする。市外の事業者は企業版ふるさと納税制度の対象になる。支援した企業の名前は、参加児童らに配るグッズや公式ウェブサイト、大会終了後の事業報告書に載せるという。組織委は「子どもたちの声援はありがたい。ぜひ協力を」とアピールしている。

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