孔子たたえ儀式や舞 多久聖廟で「秋季釈菜」

明時代の中国衣装に身を包んで釈菜に臨む横尾俊彦市長(右)ら執事者=多久市多久町の多久聖廟

 儒学の祖、孔子をまつる多久市の国重要文化財「多久聖廟(せいびょう)」で22日、恒例の「秋季釈菜(せきさい)」が執り行われた。明時代の中国衣装に身を包んだ「献官」「祭官」が、廟内に安置されている孔子や弟子の像に、餅やクリ、甘酒など8種類の供え物をささげた。

 釈菜は聖廟が創建された1708年以来、毎年春と秋に開かれている。横尾俊彦市長が務める献官を先頭に廟内に入ると、古くから伝わる手順に従い、供え物を青銅器製の祭器に盛ってささげる「献饌(けんせん)」など93の儀式を行った。県内外の37人から寄せられた漢詩も献じられた。

 儀式の後、地元の子どもたちによる「釈菜の舞」や、4年ぶりとなる「参列生徒の唱歌」などが披露され、観客から大きな拍手を受けた。釈菜の儀式を初めて見たという佐賀大学4年の小川真由さん(21)=佐賀市=は「300年以上も続いていることに驚き、神聖なものを感じた」と話した。(市原康史)

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