岡山市の後楽園で23日、江戸時代に岡山藩主が居間として使っていたと伝わる「延養亭」の秋の特別公開が始まった。観光客らは“殿様気分”に浸りながら、園内随一とされる眺望を楽しんだ。29日(25日を除く)まで。
主室(約10畳)からは、高さ約6メートルの唯心山や沢の池、赤く色づき始めた木々などが眼前に広がる。訪れた人たちは畳の上に腰を下ろし、ゆったりと秋の名園の景色を眺めたり、写真に収めたりしていた。
初めて同園を訪れたという福岡県春日市の女性(42)は「開け放した障子越しに見える景色は一味違う美しさ。殿様もこの眺めを見て心を安らげていたのでしょうか」と話した。
延養亭は17世紀後半に建てられ、1945年に岡山空襲で焼失したが、築庭当時の絵図などを基に60年に復元された。
特別公開は1日6回(各20分)行い、予約優先で各回先着10人。参加料600円(入園料別)。25日は他のイベントに使用するため公開しない。問い合わせは同園事務所(086―272―1148)。