別府合宿の武蔵川部屋、バーベキューで住民らと交流 食材大量「楽しい」時間【大分県】

力士と楽しいひとときを楽しむ住民ら
Tシャツにサインをもらい喜ぶ大平美由起さん(右)
武蔵川親方(左)とツーショットの前田耕司さん(右)
イケメン力士の徳之武蔵(右)と浪速武蔵(左)

 大相撲武蔵川部屋のバーベキュー大会が21日、別府市竹の内公民館前広場で開かれた。地元住民ら約150人が集まり、力士と交流した。「お相撲さんと一緒に食べて、飲んで、本当に楽しい」と笑顔に包まれ、普段は静かな竹の内地区の一大イベントとなった。

 武蔵川部屋は4年ぶりに別府市での合宿にやって来た。上野口町の別府市相撲合宿練習場で稽古をし、竹の内公民館を宿とした。武蔵川親方(52)=第67代横綱武蔵丸=が呼びかけ、武蔵川部屋、別府相撲道振興協議会、竹の内婦人部とでバーベキューを企画した。

 午後4時半のスタートに合わせ、地域の人たちや別府市内の相撲ファンがゾロゾロ。竹の内自治会長の大平順治さん(74)が「練習し、温泉に入って、九州場所で全員に勝ち越してほしい。今日は楽しみましょう」とあいさつ。別府相撲道振興協議会の宇都宮太理事(49)の音頭で乾杯した。

 力士たちは早い時間から仕込みに取りかかった。「何人前かは数えていない」という、とにかく大量の牛肉や鳥肉、野菜、焼きそばなどを大会開始直前からビッグサイズのバーベキューコンロで豪快に焼いた。

 だんご汁、やせうま、おにぎりを準備した竹の内婦人部の村谷美根子部長(74)は、自慢のだんご汁について「以前、親方や住民の皆さんがおいしいと喜んでくれたので一層愛情を込めて作りました」。

 別府市火売から参加した飲食業岡本慎也さん(42)は「親方は迫力がありますねぇ。力士や関係者の機敏な動きは仕事柄、参考になりました」とうれしそう。親方からTシャツの背にサインをもらった住民の大平美由起さん(67)=別府市サッカー協会長=は「宝物になります」と大喜び。住民の会社員前田耕司さん(53)は親方とツーショット写真に収まり、「でけぇ!」と感激していた。

 あくせく働き、笑顔で来場者と交流していた徳之武蔵(23)=幕下・鹿児島県徳之島町出身=と浪速武蔵(19)=序二段・大阪府東大阪市出身=は、どちらも部屋が誇るイケメン力士。2人は「応援してくれる人たちがたくさんいて本当にありがたいことです。番付を上げて恩返ししたい」。いわば武蔵川部屋の“ヤングライオン”は、住民との語らいが新たな活力となったようだ。

 午後7時ごろ、大盛況のうちにお開きに。親方は「地域の皆さんに大変お世話になっているので、こうした触れ合いの機会を設けることができてとてもよかったです」。部屋の本拠地である東京都江戸川区でも地元とのつながりを大切にしており、バーベキュー大会はその精神の地方実践でもある。

 炭火で焼いた大量の肉などは時間が進むにつれてどんどんなくなったが「まだ公民館の中にあるよ」と親方。さすがだ。別府相撲道振興協議会によると、宴の後は引き続き力士たちのメシ本番タイム。「たくさん食べて、大きくなって、強くなってほしい」と住民は願う。

 武蔵川部屋は武蔵川親方、床山、15人の力士、行司、おかみ、マネジャーで運営。日々、激しく厳しい稽古に励んでいる。

 (文・写真 下川宏樹)

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