Moto3:佐々木歩夢が悪天候のレースで2位「チャンピオンシップを考えれば、素晴らしい仕事をした」/第16戦オーストラリアGP

 10月22日、2023年MotoGP第16戦オーストラリアGP Moto3クラスの決勝がフィリップ・アイランド・サーキットで行われた。ランキング2位につけている佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)は、悪天候の難しいレースで最後までバトルを繰り広げた末に2位表彰台を獲得し、ポイント差を詰めることに成功させた。

 現在ランキング2位の佐々木は、母国開催の第14戦日本GPで2年連続表彰台を獲得するも、第15戦インドネシアGPでは18位と悔しさが残る結果となった。しかし、連戦の今大会は初日から総合4番手に食い込み、2日目のFP3でも自己ベストを0.712秒更新するなどの好調さを発揮していた。

Moto3:佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第16戦オーストラリアGP

 そして予選Q2では、自己ベストにはわずかに届かなかったものの1分36秒539をマークし、2番手のジョエル・ケルソ(CFMOTO Racing PruestelGP)に0.136秒差をつけてポールポジションを獲得した。そんな佐々木は「セットアップの面で昨日より改善できましたし、満足のいくクリーンラップも取ることができたので、いい予選でした」と振り返った。

「もう少し改善できれば良いと思いますし、どこをどうすればいいか分かっています。決勝のコンディションがドライであれば、この部分を改善できると思います。僕らのペースはかなり良いですし、バイクのフィーリングも気に入っています」

Moto3:ポールポジションを獲得した佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第16戦オーストラリアGP

 決勝日は朝から小雨が降り風も強まり、その後も天候は次第に悪化。やや雨足が強まる中で始まった決勝レースでは、佐々木は好スタートを切ってホールショットを奪う。しかし、翌周にエイドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)に先頭を明け渡し、さらにデニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)とケルソにも先行を許し、5周目には4番手まで後退してしまう。

 レース折り返しの頃には雨量がやや減り、トップ集団のペースが上がり始める。挽回を図る佐々木は、ケルソとオンジュを捉えて15周目に2番手に再浮上。翌周にはトップ独走のフェルナンデスが10コーナーでまさかの転倒を喫したことにより、佐々木がトップへと変わり、そのままファイナルラップへ突入していく。

Moto3:トップ争い/2023MotoGP第16戦オーストラリアGP

 そこで2番手のオンジュが、ストレートから各コーナーで佐々木に襲い掛かり、10コーナーで佐々木を仕留める。その結果、オンジュに敗れて2位となったが、チェッカー後にガッツポーズも見せた佐々木は、次のように振り返っている。

Moto3:2位表彰台獲得の佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第16戦オーストラリアGP

「雨と風が強かったり弱かったりと難しいレースだったので、2位は嬉しいです。なので、その状況をマネジメントするのは難しかったけれど、毎回うまく対処することができました。ラスト5周は、刻々と状況が変わったので少し集中力が切れてしまいましたが、それでも集中力を維持して、最後までミスをしないように努めました」

「最終ラップではデニスに抜かれて、また優勝を逃してしまったので、少し残念でした。でもチャンピオンシップを考えれば、素晴らしい仕事ができましたし、それが目標であり、集中する必要があります。1週間後にもう一度挑戦してみます」

 今季9度目の表彰台を獲得し、ランキングトップのジャウマ・マシア(Leopard Racing)には4ポイント差に詰め寄っている。チャンピオンシップを争う上で、今季初優勝も欲しいところだが、佐々木は残り4戦でどのような戦いを見せ、チャンピオン争いを繰り広げていくだろうか。

Moto3:2位表彰台獲得の佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)/2023MotoGP第16戦オーストラリアGP

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