届かぬ支援物資「水が欲しい」 ガザ南部、避難所すし詰め

イスラエル軍の攻撃で父親を亡くし、涙を流す医療関係者(左)=21日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】「水が欲しい」「まるで動物だ」。イスラエル軍による激しい空爆が連日続くパレスチナ自治区ガザ。エジプト側からの人道支援物資搬入が21日始まったが、避難民ですし詰め状態のガザ南部の学校には22日、まだ新たな物資は届いていない。避難者らは共同通信のガザ通信員に苦境を証言した。

 ガザ南部ハンユニスにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校には3千人以上が避難している。10~20人用の教室に40~60人の避難者が生活し、水は1日に2時間しか使えない。ワエル・ゼイニーさん(36)は「礼拝用に身を清める水さえない」と話す。

 スレイマン・ハーティムさん(15)は「きょうも喉がからからだ。地下水を飲んだが、塩分が含まれていて、おなかが痛い」と泣き出した。

 パレスチナ赤新月社は21日、トラック20台分の医薬品や食料、水を受け取ったと歓迎の声明を出したが「大海の一滴に過ぎない」として、さらなる支援を求めた。支援物資は22日も搬入された。

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