企業倒産17件、負債総額28億円超 9月の栃木県内 いずれも今年最多

 東京商工リサーチ宇都宮支店が22日までに発表した9月の県内企業倒産整理状況(負債総額1千万円以上)は、倒産件数が前年同月比12件増の17件、負債総額は59.3%増の28億1300万円で、いずれも月別で今年最多となった。

 負債額が10億円以上の大型倒産は1件。カメラ専門店経営などのサトーカメラ(宇都宮市)が12億円超の負債で、民事再生法適用を申請した。この他、1億円以上5億円未満が7件、5千万円以上1億円未満が2件、1千万円以上5千万円未満が7件だった。

 業種別ではサービス業他が8件、建設業、小売業、運輸業が各2件など。原因で最も多かったのは販売不振で12件、形態は破産が15件と目立った。新型コロナウイルス関連は5件。

 1~8月の倒産件数は月4~11件で推移した。9月に増加した背景として、同支店は原材料費高騰や政府の新型コロナ対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済を挙げ、企業には「政府の支援策がなくても耐えうる収益体質の強化など、根本的な課題解決が必要」としている。

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