映画『Love song』公開記念舞台挨拶

横浜を舞台にしたハードボイルドかつエモーショナルな恋愛映画『Love song』の公開記念舞台挨拶が2023年10月21日（土）、池袋シネマ・ロサにて行われた。

ほぼ観客で埋め尽くされた会場から大きな拍手に迎えられて登壇したのは、主人公のシンガー・藤咲花を演じた増田有華をはじめ、木口健太、青木一馬、平山 大、牧野裕夢の若手キャスト5名。ハードボイルドな愛と復讐を描く本作について、それぞれの役柄への想いや撮影秘話を語った。

増田有華の思う主人公・花、木口健太の「誠」像

舞台挨拶冒頭、主人公・花を演じた感想を求められた増田は「勝ち気で気が強く見られがちな感じは、私の10代の時と全く同じだな、人の制止を振りはらって出ていくみたいなことは私もよくあったので」と、役作りについてはさほど苦労しなかったとのこと。撮影前に本読みがあり、監督から何か言われるかな？ と思いきや「いいじゃないですか！」と言われて無理なく演じられたと振り返った。

続いて歌唱シーンについて聞かれると「事前にレコーディングしてから現場に向かうと思っていたら、撮影の現場で『はい、歌ってください』と言われて、エコーもない素の状態で歌ってくださいという状況だった。あまりに斬新だったが、ここで負けてたまるかと思ってそのまま歌わせてもらった」と、ラストの歌唱シーンがほぼ一発撮りであることを明かした。

また、主人公・花の相手役である木口は役について聞かれ、「普段演じる役と結構違うハード系な役で、時代的には松田優作さんの時代の映画とか元々好きな映画のジャンルだったので、その辺の映画をもう一回見返して温度感みたいなものを取り入れられたらと思ってやっていたので、すごい楽しかった」と語った。

ラブシーンで増田「大丈夫です。私に任せてください！」

増田は、この映画の話が決まる前に木口の出演する映画『おんなのこきらい』（2014年）を偶然観ていて素敵な俳優だと思い、ネットで名前を検索していたという。その後、相手役が木口だと知って驚き、すぐに「『おんなのこきらい』観ました」と本人に伝えたという。一方、増田の印象を聞かれた木口も、増田が出演する『全裸監督2』を観ていて「すごくいい女優さんだな」という印象があり、今回の相手役だと知り嬉しかったと述懐。お互いの作品を観ていたからこそ共通の話題で会話ができ、おかげで現場でもスムーズにいったと振り返る二人の仲の良さをうかがわせた。

さらに、増田と幼なじみを演じた青木に増田の印象を聞くと、ラブシーンの撮影でやり直しが続いた際に濡れ場を演じることに慣れていない青木に対し、増田が「大丈夫です。私に任せてください！」と言い、実際には自分よりも年下の増田が“姉貴”のように頼りがいがあったと述懐し会場を沸かせた。

大先輩・本田博太郎＆藤吉久美子との貴重な共演エピソード

今回キャストに名前を連ねる本田博太郎と藤吉久美子について印象を聞かれ、二人とのエピソードを語った増田。本田とは待ち時間に3時間二人でしゃべる時間があり、本田から「長年やっているけれど役者っていうのは人が出るよ。どんなに偽っていても人柄が出る。素敵な女性でいてくださいね」と励まされたという。また、藤吉久美子からは「主役はいいの、座っていなさい」と言われ、気を遣わせない雰囲気を作ってもらったり、歌のシーンでは率先して拍手してくれたりと、ベテラン俳優二人と貴重な時間を持ったことを明かした。

「SNSでイイねを押しまくりたい」

最後に一言メッセージを求められた増田は「皆さんにこんなふうに集まっていただけるとも思わず、最後列まで席が埋まっていてすごく幸せな気持ちです。観終わった皆さんに感想を一人づつ尋問していきたいくらい。SNSで『#Lovesong』とつけて呟いてくれたらイイねを押しまくりたい」と語って舞台挨拶を締めくくった。

『Love song』は2023年10月26日（木）まで池袋シネマ・ロサにて上映、10月28日（土）から大阪シアターセブンにて上映