戸籍上の性別変更、手術は必要か 最高裁大法廷25日に憲法判断

性別変更要件と司法判断

 心と体の性が一致しない性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには、生殖能力をなくす手術を受ける必要があるのか―。性同一性障害特例法が規定する手術要件に関し、25日に最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)の決定で憲法判断が示される。2019年に最高裁が合憲と判断した後、身体を傷つけたくないと願う当事者への社会の理解や受容が進展したと言えるかが焦点だ。

 04年施行の特例法は性別変更に「生殖腺がない、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」(生殖能力要件)を規定し、精巣や卵巣の摘出が必要とされる。「性別変更後の性器に近似した外観を備えていること」(外観要件)も定め、これらが手術要件と呼ばれている。

 今回の申立人は戸籍が男性で、性自認が女性の西日本に住む社会人。ホルモン療法による生殖能力の減退などを主張し、手術なしでの性別変更を望む。手術要件は「過大な身体的、経済的負担を課し、個人の尊重や法の下の平等を定めた憲法に反する」と訴えている。

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