最後まで粘りを見せた新井カープ CSファイナル第3戦(10月20日)を振り返る

今シーズン、わたしたちファンを楽しませてくれた新井カープ。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの王者・阪神との試合でも最後まであきらめない姿を見せてくれました。

ファイナルステージ第3戦 10月20日(金)甲子園球場

石田充 アナウンサー
日本シリーズ進出のためにはもう負けられない状態で迎えた金曜日の3戦目。大事な先発マウンドを託されたのは、ファーストステージの第1戦から中5日での先発となった 床田寛樹 でした。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
中5日の不安というのを全く感じないピッチングでした。序盤から非常に飛ばしているなっていう印象でした。

石田充 アナウンサー
打たせて取る巧みな内容で阪神打線を3回までノーヒットに抑え込みます。

床田の好投に応えたい打線は4回、今シーズン大の苦手としている阪神の先発・大竹からツーアウトながら6番・上本崇司 がツーベースヒット。続く打席は、7番の秋山翔吾 。打ち取られた当たり(サードゴロ)ではありましたが、これが内野安打に。チャンスを広げます。そして、打席に “8番” の 坂倉将吾 。

天谷宗一郎 さん
本当に層の厚さっていうのがどんどん増していますよね。

石田充 アナウンサー
ストレートを振り切ったら打球は、ライト前に落ちるタイムリー。3試合連続で先制しました。ところが、直後に2点を取られ、逆転を許してしまいます。

それでも5回、1アウト・3塁・1塁と再びチャンスを作ると、打席は4番の 堂林翔太 。打球はレフトへ。

天谷宗一郎 さん
インサイドの難しいボールですけれども、体の回転で持っていきましたよね。

石田充 アナウンサー
カープは、ファイナルステージで初の2得点目となる犠牲フライで同点に追いつきます。

2対2で迎えた6回、床田は、2アウトからヒットとフォアボールで2塁・1塁のピンチを背負います。ここで坂本との勝負。

天谷宗一郎 さん
完全に打ち取っているんですけどね。

石田充 アナウンサー
打球は、無情にもライト前へポトリ…。またも阪神に勝ち越しを許してしまいます。先発の床田は、8回を投げて3失点。試合は作りましたが、リードを許した状態でマウンドを降ります。

床田寛樹 6回 球数105 被安打5 与四球3 失点3

1点ビハインド(阪神 3-2 広島)で迎えた7回、必勝を期す新井監督は、2番手で勝ちパターンの 矢崎拓也 を投入しました。しかし、1アウト・満塁のピンチを背負うと、痛恨の押し出しフォアボールとなってしまいます。

天谷宗一郎 さん
タイガースは、そつがないっていうのをすごく感じました。

石田充 アナウンサー
なおも満塁のピンチが続きますが、リリーフした 大道温貴 が後続を打ち取り、踏ん張ります。

天谷宗一郎 さん
力でねじ伏せました。ナイスピッチングでした。

石田充 アナウンサー
2点を追うカープは粘りを見せます。8回、2アウトながら2塁・1塁とチャンスを作り、代打の切り札・松山竜平 。ライナー性の打球はライトへ。

天谷宗一郎 さん
よく反応しているんですけれども、ここもタイガースの守りにやられてしまいました。

石田充 アナウンサー
ファインプレーに阻まれます。

さらに9回、野間峻祥 がフォアボールを選ぶと、小園海斗 が好調でしたね。三遊間を抜くタイムリー。

天谷宗一郎 さん
そうですね。本当に勢いっていうのを作ってくれていました。

石田充 アナウンサー
一発出れば逆転の場面で西川龍馬 。しかしながらレフトフライ、家族一丸でがむしゃらに駆け抜けた新井カープのシーズンが終わりを告げました。

阪神 4-2 広島

天谷宗一郎 さん
わたしも初めてクライマックスシリーズに出たとき、めちゃくちゃ緊張したんですよね。ただ、このクライマックスに出た選手も何人もいたと思うんです、若い選手。その選手たちは緊張はしたと思うんですけど、間違いなく自分を一回りぐらい成長させてくれている。そのくやしさをまた秋のキャンプ・春のキャンプにつなげられれば、二回り・三回り成長させてくれるんじゃないかなと思うので、来年のカープは非常に楽しみだなっていうのを感じます。

石田充 アナウンサー
負けられない試合の中で得た経験、それを経て、キャンプを秋からできるっていうのが大きいかもしれませんね。

青山高治 キャスター
本当に戦いながら強くなるチームという感じがします。

天谷宗一郎 さん
どの選手をとってもそういう印象を受けます。

石田充 アナウンサー
あと、新井監督の「みっちり鍛える」っていう言葉に非常に力がありました。

青山高治 キャスター
「けっこうタメていましたもんね。みっちり!と

石田充 アナウンサー
みっちり鍛える秋のキャンプにも注目したいと思います。

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