広島電鉄は、交通系ICカード「PASPY」に代わる新しい乗車券システムの概要を明かにしました。
広島電鉄 仮井康裕 専務
「日常という意味で『モビリーデイズ』と名付けています」
交通系ICカードPASPYに変わる新しい運賃支払いサービスは、「モビリーデイズ」です。
クラウドにサーバーを置き、乗客は新しいカード、または専用のQRコードを登録したスマホをタッチして乗り降りし、料金などのデータは利用者ごとにクラウドで管理されます。
広島電鉄が大手電機メーカーNECなどと共同開発しました。
ハッピーな乗車券と名づけられたPASPYは、15年前に運用が始まりました。
路線バスや高速バス・フェリーなど広島県内を中心に交通事業者およそ30社が参加。最大1割の割引もあり、利用者は着実に増えていきました。
累積発行枚数は190万枚を超え、広電での利用率は8割に達しました。
一方、PASPYの運賃計算はバスや電車ごとで行い、データの管理も手間がかかるということです。さらに7年から8年ごとの機器更新に40億円以上の費用がかかります。
こうしたことを受け、広電は新しいシステムの導入を決めました。新しいシステムでは、時間帯や曜日別の運賃設定も容易になるメリットがあります。
広島電鉄 椋田昌夫 社長
「持続可能な地方公共交通を実現し、便利さと楽しさを備えた乗車券になると信じています」
PASPYのサービスは、2025年3月までに順次、終了するということです。
新しいシステムは、来年9月にサービスを開始しますが、参加を決めている交通事業者は広電グループのみで、ほかの社は検討中だということです。
小林康秀 キャスター
新しい乗車券システム「モビリーデイズ」についてまとめました。スマホ・新ICカード利用者はあらかじめスマートフォンなどで会員になり、クレジットカードや銀行口座を登録します。
画面にQRコードを表示し、車内の読み取り機にかざします。また、新しいICカードを利用することもできます。現金チャージも可能です。
パスピーでもJRは利用できませんでしたが、新しいモビリーデイズでも利用はできません。
これまで広電グループで利用できたJR西日本のICOCAについては、利用できる別の車載機を乗せることを検討しているということです。
広島電鉄は、「モバイルが活用できるのでスマホがあれば、『ICOCA』も『MOBIRY DAYS』も両方利用できる。利便性は落ちないと考えている」としています。
まとめると、参加を表明している交通事業者はまだ広電グループのみで、ICOCAに参加していたアストラムラインを運営する広島高速交通も不参加を表明しています。