不適切保育で改善計画、園が策定 水戸市は処分見送り 茨城

不適切保育が発覚した「さんさん保育園」=水戸市米沢町

不適切保育があった茨城県水戸市米沢町の市認可保育所「さんさん保育園」が市へ改善計画書を提出したことが23日、分かった。不適切保育の原因については保育の意識不足や脆弱(ぜいじゃく)な労働環境とした。園長兼理事長の交代など再発防止策を定めたことから、市は行政処分を行わない方針。

計画書では、「無理に飲食させる」「冬の屋外に立たせる」など虐待が疑われる不適切保育のほか、防犯カメラなどで罰を与えたり、強要したりする行為を「確認できた」としている。

園側は、こうした保育の原因について「子どもの成長によかれと考えた」「周囲が非を感じても解決しない体制で問題が深刻化」とした。保育士など職員の離職で、指揮系統の機能不全や職員間の連携不足も生じたという。

同園では問題発覚後、保育士の情報共有を進めるとともに、今後は保護者アンケートや第三者による評価を導入するとしている。また、賃金見直しなど労働環境の改善にも取り組む。

市などによると、園長兼理事長は6月末に辞任。10月までに新体制を発足させた。計画書策定では保護者の意見も反映させており、市幼児保育課は「今後は計画がきちんとなされるか見ていきたい」としている。

保護者の一人は「保護者と職員の双方で、子どもが安心できる環境を考えていきたい」と話した。

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