緑のANA機、青森県内第1便が到着 「環境」テーマ、伊丹便に就航

青森空港に到着したANAの特別塗装機

 全日本空輸(ANA)は23日、環境問題や地域創生などへの貢献をテーマに緑色の塗装を施した特別機の運航を始め、第1便が青森空港に到着した。青森県産リンゴの搾りかすを活用した合成皮革の座席カバーを採用していることから、青森-大阪(伊丹)線に就航させた。今後、青森空港発着便を含む国内線で運航する。

 特別塗装機の機材はプロペラ機「DHC8-Q400」(74席)。同様の塗装を施したジェット機は国内線、国際線の両方で運航しているが、青森空港発着便では使われていないため、同塗装機の県内就航は今回が初めてとなった。

 通常の機材は青色を基調としているが、特別塗装機は緑色のデザインで、機体の両側面に描かれている緑の葉が特徴的。

 県産リンゴの搾りかすを活用したカバーのほか、北海道産ホタテの貝殻を再利用して製造した「安全のしおり」を機内で配布。機体外側には「サメ肌」のような特殊加工を施したフィルムを張り、空気抵抗を減らして燃費を向上させ、二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげている。

 この日は午後4時前に第1便が到着し、県や青森市の職員が乗客にリンゴジュースをプレゼントするなどして歓迎した。

 特別塗装機運航の責任者を務める矢澤潤子・同社取締役常務執行役員は「Q400は地方路線を中心に飛んでいる。この飛行機に地域の課題に一緒に取り組みたいという思いを込めた」と語った。

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