鍛えた筋肉、地域のために ごみ拾いでエクササイズ「プロギング」活動 青森・弘前市

鍛え上げた筋肉で新エクササイズ「プロギング」を楽しむ奉仕隊のメンバーたち。中央が代表の藤田さん

 あなたの筋肉、地域のために使いませんか? 青森県弘前市山道町のプライベートジム「ヴィダ」の会員でつくる奉仕団体「ひろさき筋肉奉仕隊」(藤田慎太郎代表)が今年4月に始動した。鍛え上げた己の筋肉を頼りにごみ拾いをして、街の美化に貢献している。

 22日午前9時半、この日集まったメンバー5人が同市吉野町の弘前れんが倉庫美術館前を出発。繁華街の鍛治町エリアを中心に小走りで回り、軍手を装着した手でたばこや空き缶、ペットボトルを約1時間かけて拾い集めた。6回目の参加という同市の塾講師・堀内光(ひかる)さん(34)は「仲間と共にコミュニケーションしながら汗を流せて気持ちいい」と爽やかな表情だった。

 実はこれも立派なエクササイズの一つ。ジョギングしながら街のごみ拾いをする「プロギング」と呼ばれる北欧スウェーデン発のスポーツで、「拾う」を意味するスウェーデン語と英語の「ジョギング」を合わせた造語。スウェーデン人アスリートが2016年に始め、体にも環境にも優しいフィットネスとして世界中で取り組みが広がっている。

 ヴィダを開いて3年目になる藤田さんはある日「自分の体のためだけに筋肉を鍛え続けていいものか」と思い悩んだ。鍛えた筋肉で地域貢献できないかとネット検索したところプロギングにたどり着いた。筋肉で弘前を住みよい街にしたいと早速ヴィダの会員に声をかけた。

 メンバーは現在約10人で月に1回活動している。藤田さんは「ジムの会員でない方も大歓迎。一緒に体を鍛え、地域をきれいにしよう」と呼びかけた。

© 株式会社東奥日報社