【天皇賞・秋/危険な人気馬】上がり最速がウリも……“消し”材料となる「4.0.0.13」のピンパー要素

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今週は秋の中距離王決定戦、第168回天皇賞・秋(GI、芝2000m)が東京競馬場で行われる。

今年は世界ランク1位、国内外のGI4連勝中の現役最強馬イクイノックスが断然の主役。対するは昨年のダービーでイクイノックスを破ったドウデュース、天皇賞春秋連覇を狙うジャスティンパレス、大阪杯覇者ジャックドールなど、登録馬13頭にとどまったが、ハイレベルなメンバーが揃った。

そんな中、GI未勝利ながら金星を狙うプログノーシスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■近年のレース傾向に不向きなタイプ

現役最強馬の参戦が影響したか、フルゲート割れの少頭数で行われることになる今年の天皇賞・秋。それでもGI馬5頭が集結し、上位人気に支持されそうなメンバーは甲乙つけがたい戦績で、イクイノックスがいなければ堂々主役を張れるメンバーばかり。

プログノーシスもその中の1頭で、今年に入ってGII2勝、香港のGI・QE2世Cでは2着に入るなど充実一途。大金星を狙える位置につけているが、GI未勝利という点でやはり格という面では他のメンバーより一枚落ちる。

国内のレースでは、9戦中8戦で上がり最速の瞬発力を見せている本馬だが、近年の天皇賞・秋は過去5年、1分58秒を切る高速時計で決着しており、道中緩みのないラップが続き、好位・中団につけて長くいい脚を使える馬が好走するレースになっている。

前走の札幌記念では、早めの仕掛けで4コーナー2番手から押し切ったプログノーシスだが、本来は中団後方から終いの脚で勝負するタイプ。今回、再び末一辺倒の戦法になると脚を余してしまうのではないか。

■前走GIIの上がり3F最速はピンパー

過去10年、前走上がり3F最速だった馬の成績は、GIの場合【3.2.2.2】と信頼度は高めだが、GIIだった場合は【4.0.0.13】とピンパー要素が強く安定感に欠ける。さらに勝ち馬4頭中3頭は、当日1~2番人気に支持されており、3番人気以下になるとほぼ馬券圏外。プログノーシスが当日どこまで人気に推されるか、そのあたりも気になるところだ。

また当日馬体重480~519キロの馬が【9.3.6.75】と、好走率の高いボリュームゾーン。プログノーシスはデビュー戦の480キロが最高体重で、それ以外は470キロ台での出走が続いている。今回、少しでも馬体が増えていないと、データ的には割り引きが必要だ。

川田騎手とのコンビでは6戦6勝と相性抜群のプログノーシス。このまま連勝を伸ばすと考えるか、それともそろそろ止まり頃と考えるか…。筆者の考えは後者だ。初めての関東圏での競馬、加えて府中コースもカギとなりそう。イクイノックスの相手探しの一戦、と目される今年の天皇賞・秋において妙味を考えると、ここは思い切って「消し」ておきたい1頭だ。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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