廃止方針の勤労市民センターに子ども図書コーナー 利用者が本など寄付

1階ロビーに設けられた子ども図書コーナーと、カンパに協力した有志たち=12日、三浦市勤労市民センター

 三浦市が廃止の方針を出している市勤労市民センター(同市天神町)にこのほど、子ども図書コーナーがお目見えした。「幅広い世代に利用してもらおう」と、同センターの存続を求めている利用者が本や費用を寄付した。11月にはオープン記念のイベントを開催する。

 同コーナーは1階ロビーの一角にあり、広さは約15平方メートル。子ども用の衝撃吸収マットが敷かれ、本棚には約300冊の書籍が並ぶ。漫画と絵本が中心だが、「不思議の国のアリス」などの児童小説もある。

 同センターは老朽化が進み、市は財政難から本年度中に廃止する方針を示している。廃止に反対するサークル活動の利用者らは「存続を求める会」を結成して署名活動を続けている。そんな中、9月に同センターの指定管理者であるイグレック(横浜市金沢区)から「センターを世代交流の場にしたらどうか」と提案があった。

 利用者の有志が協力して寄付を集め、本やテーブルを購入。同社は本棚とマットを提供した。既に利用可能の状態で、同会事務局の重田裕美さんは「施設を多くの市民に使ってもらい、存続の必要性を実感してほしい」と話す。

 同センター主催でオープン記念の「あそびフェスタ」は11月4日午前10時からオープニングセレモニーを行い、焼きそばや飲み物の飲食コーナー、ゲームや遊びのコーナーを設ける。午後3時まで。入場無料。

 問い合わせは同センター、電話046(881)3766。

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