「国土を変え、社会を変える」インフラを支えるテクノロジー 国交省大臣官房参事官らが講演

先進的なテクノロジーとインフラ整備に関するセミナー「3次元空間情報基盤によるインフラモニタリングの最前線」が23日、東京・日本橋で開かれ、土木・建築業界などの専門家らが講演した。

国土交通省大臣官房参事官の森下博之氏=23日、東京・日本橋

招待講演では国土交通省大臣官房参事官の森下博之氏が、同省におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の事例を紹介。建設業界の担い手が減少するなか、ショベルカーなどの建設機械を自動化したり、一人のオペレーターが遠隔地から複数台を管理したりする施策などで生産性向上を促すと話し「デジタル技術とデータの力でインフラを変え、国土を変え、社会を変える」と目標を掲げた。

麗澤大学副学長・教授の柴崎亮介氏は基調講演を行い、衛星を用いて取得するデータが社会でますます重要になるとの見解を述べた。それと同時に、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を偽装して不正利用することが技術的に難しくない現状に懸念を示した。

麗澤大学副学長・教授の柴崎亮介氏=23日、東京・日本橋

セミナーを主催した3次元空間情報基盤構築・ドローン安全運航コンソーシアムの代表で法政大学教授の今井龍一氏は、ドローンによるレーザー測量などで空間の座標を記録する「3次元点群データ」を活用することで、仮想空間に現実世界を再現する「デジタルツイン」が社会実装される段階になったと解説した。また「計測機器(ハードウェア)の開発では軍事産業とつながっている海外企業が優位だとされているが、ソフトウェアの開発では日本がリードしてるのではないか。特に道路や河川のデータを専門的に処理する術に長けている」と語った。

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