「タイヤは萎んでいるがパンクはしていない」担当医師が7カ月出場停止のファジョーリに言及、イタリアを揺るがす違法賭博問題に「他にもたくさんいるだろう」

違法賭博により7カ月の出場停止処分を受けたファジョーリ[写真:Getty Images]

イタリアサッカー界を揺るがす違法賭博問題。ユベントスのイタリア代表MFニコロ・ファジョーリの主治医であるパオロ・ジャレ氏がファジョーリについて語った。

ファジョーリは違法オンラインプラットフォームを通じた違法賭博行為によってトリノ検察庁、イタリアサッカー連盟(FIGC)の捜査を受けることに。司法取引も行われ、19日から7カ月間の出場停止処分を受けることが決定した。

供述が公開されるなどし、借金が総額で300万ユーロ(4億7000万円)、チームメイトからも借金をしていることなどが赤裸々に語られていた。

ファジョーリ以外にも、ニューカッスルのイタリア代表MFサンドロ・トナーリへ重い処分が下される可能性がある状況。トナーリはギャンブル依存症であることも告白していた。

そんな中、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』でジャレ氏がインタビューに応じ、ファジョーリの様子について語った。

「私がハイレベルなサッカー選手をフォローするのは初めてのことだったが、表面的な人間、傲慢な人間かもしれないということが予想できた」

「むしろ、最初のセッションからニコロは親切で礼儀正しく見えた。ほぼ控えめな性格だが、閉鎖的なわけでもない。地味ではあるが、存在感はあるという感じだ」

「最も重要なことは、彼は自分が不利な状況にあることを認識しており、賭けによって自分のキャリアを危険に晒していることを認識しているということだ」

「彼は萎んだタイヤを持っているが、パンクはしていない。もちろん私は医師なので、これ以上個人的な側面に立ち入ることはできない」

ギャンブルを続けていながらも、自身の行いが良くないこと、そしてサッカー選手としてのキャリアに大きな影響を与えることも認識していたというファジョーリ。自認していることが重要だとしたジャレ氏だが、ファジョーリ自身は選手を辞めることは全く考えていなかったという。

「いいや、彼は決してそんなことは言わなかった。そして、それについて考えたこともないと思う。ニコロは最初の試合から、長期の出場停止になる可能性を認識していた」

「私はニコロに、同じように賭博をしたことで違反し、有罪判決を受けたパオロ・ロッシのことを話した。彼は出場停止を受けた後、中心選手としてワールドカップで優勝を果たしている」

「ユーロは6月にあり、出場停止は終わっているだろう。ニコロはすでにイタリア代表デビューを果たしており、ユーロ2024は我々の治療における重要な動機となる可能性がある。私は楽観的だ」

イタリアの伝説的なストライカーとして知られ、1982年のスペイン・ワールドカップでは得点王になり優勝にも貢献していたパオロ・ロッシ氏を引き合いに出し、キャリアは取り戻せると話したという。

そしてジャレ氏はファジョーリはもうギャンブルはしないとコメント。大きく取り上げられている人物以外にも、違法賭博を行っている選手はまだまだいるだろうと推測した。

「彼はもうギャンブルをしないし、それは重要なことだ。ただ、私はニコルプと全ての患者に伝えているように、これは本物の病気だ。治療されなければならない」

「コロナの有無に関係なく、これら3件の事件は賭博行為の始まりに過ぎないと思う。おそらく他にもたくさんいるだろうが、これは統計的かつ社会的な事実であり、サッカー選手だけが関係するものではもはや無くなっている」

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