旧「さとちょう」(青森県)、まず2店営業開始 トライアル(福岡市)、11月2日までに順次15店

開店と同時に買い物客が訪れた平川尾上店。店名は「さとちょう」のままだった=24日午前9時半ごろ、平川市尾上栄松

 スーパー経営の佐藤長(本社青森県弘前市)から20日に閉店した「さとちょう」18店舗などを引き継いだトライアル(本社福岡市)のグループ会社は24日、最初の2店舗として金木店(五所川原市)と平川尾上店(平川市)の営業を始めた。11月2日までに計15店舗を順次開店し、残る3店舗も準備が整い次第開店する方針。

 25日には岩木店(弘前市)と城東店(同)、26日には広田店(五所川原市)と平賀店(平川市)が開店予定。時期が未定なのは常盤店(藤崎町)と浪岡店(青森市)、むつ新町店。佐藤長の関連会社ヱスヱス商事(本社黒石市)が運営していた樹木店(弘前市)と寿町店(黒石市)は継承しない。

 トライアル側は「買い物インフラを守る」(同社担当者)ことを最優先し、事業譲渡を受けた23日から間を置かずに開店。ごみ袋など一部陳列が間に合わない商品もあった。店舗の看板や外観は当面「さとちょう」のままだが屋号は継承せず、今後「トライアル」に順次変更する。

 佐藤長の関連会社の青森食研(本社黒石市)もトライアル側が事業譲渡を受け、引き続き弁当や総菜の製造を担う。

 金木店では午前9時の開店に合わせ、自転車や車で次々に買い物客が訪れた。入り口では「TRIAL(トライアル)」と書かれたエプロン姿の店員が買い物かごを手渡し、買い物客と笑顔で声を交わしていた。車で訪れたつがる市稲垣町の中村孝子さん(72)は「店がなくならなくて良かった。値段も安く、通路が広くて買い物しやすい」と喜んだ。

 平川尾上店では、開店と同時に約20人が入店した。近くに住む86歳女性は「閉店中は平賀地区まで車で送ってもらっていた。また歩いて通いたい」と語った。

 トライアルは大型スーパーを中心に6月現在で全国285店舗を展開。県内では八戸、十和田、おいらせに大型店の「スーパーセンター トライアル」を出店している。

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