「絵入りリンゴ」猛暑で苦労もくっきり 青森・弘前市 仏大統領やウクライナ大使館に発送

名画や為政者をモチーフにしたリンゴを手にする佐藤社長

 青森県弘前市の農業資材販売業・佐藤袋店は24日、毎年恒例の「絵入りリンゴ」の発送を始めた。今年はフランスのマクロン大統領、岸田文雄首相の日仏首脳の顔のほか、絵画や名建築などをリンゴの表面にデザインした18種類を作った。首相官邸やフランス各所のほか、昨年に続き戦禍のウクライナにエールを送るため、ウクライナ大使館にも贈った。

 佐藤義博社長(75)によると、夏の猛暑の影響でリンゴが赤く色づきにくく、着色に苦労したといい「10月の寒暖差で色が入り、何とか絵が浮かび上がってくれてほっとした」と語った。同社は2002年から仏大統領に、08年から日本の首相に、昨年からウクライナ大使館に絵入りリンゴを贈っている。

 リンゴの品種は市内の園地で育てた「陸奥」。袋やシールで果実に当たる太陽の光を調整して色の差を際立たせている。

 今年は来年のパリ五輪を記念して、パリを代表する歴史的建造物の凱旋(がいせん)門やエッフェル塔をモチーフにしたリンゴのほか、パリを愛した画家・シャガールの「バイオリン弾き」「エッフェル塔の新郎新婦」を絵柄に採用した。

 佐藤社長は「気候変動やウクライナ情勢の悪化もある中、世界経済も混乱している。各国は世界平和のために行動してほしい」と絵入りリンゴに思いを込めていた。

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