弘南鉄道弘南線、26日一部再開 運休1カ月、全通見通せず

弘南線の運転再開を待つ車両=24日午後、弘南鉄道弘前駅

 弘南鉄道(本社青森県平川市)は24日、レール補修などのため先月25日から運休中の2路線のうち、弘南線(弘前-黒石)の弘前-田んぼアート間で26日から運転を再開すると発表した。田んぼアート-黒石間は代行バス運転を続ける。弘南線と大鰐線(大鰐-中央弘前)は当初「10月中~下旬の全線再開を目指す」としていたが、1カ月たった現在、全線再開の具体的な時期は見えていない。

 弘南鉄道によると、26日からは、再開する鉄道運行が上下線とも各18本、残りのバス代行区間は田んぼアート駅発15本、黒石駅発14本となる。代行用バスの確保が難しいためバス便が数本減るが、朝のラッシュ時の便数は極力減らさないようにした。鉄道運行は本数を増やし、最終列車は本来の時刻表と同じ午後10時台の到着とした。

 運休の理由は、レール摩耗の測定法に誤りがあり、再測定で基準値を超える摩耗が6カ所見つかったため。弘南鉄道側は先月27日の記者会見で、2路線とも10月中に全線再開との見通しを示していたが、現在は「早期の運転再開に向け着実に作業を進めている」と修正。大鰐線の一部運転再開は11月中旬を目標にしている。

 遅れの理由について弘南鉄道の担当者は取材に「安全な運行の確保に向け、当初予定していなかった点検や線路の調整を作業に加えたため」と説明。レールなどの測定結果のチェックを外部機関に依頼しており「測定-チェック-調整」の繰り返しにも時間がかかっているという。担当者は「現在は境松-黒石間の補修を進めており、近く再開見通しを示せるのでは」と話した。

 沿線自治体が定めた弘南鉄道支援計画では、安全輸送対策費のうち事業者負担分は自治体側が分担することになっている。担当者は今回の補修費について「今後、沿線市町村に負担をお願いすることになる」と答えた。

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