梨ピューレで廃棄ロス減へ 茨城・かすみがうら特産 規格外活用、返礼品に

かすみがうら市産の規格外の梨を使った「梨ピューレ」

梨が特産の茨城県かすみがうら市で、規格外品を加工した半液体状のピューレ製品が完成した。パッケージのデザインには市内の中学生が描いたポスターを使用。市のふるさと納税の返礼品としたほか、今後一般販売を始める。市を挙げてフードロスを減らすプロジェクトが前進した。

市地域未来投資推進課によると、市内の梨農家約50軒が協力し、「みつ症」などで規格外となった約1.3トンの梨(豊水)を原料に使った。市内の建設資材卸会社の配送ルートを活用し、千葉市内の加工工場に出荷し、製品化した。パッケージは市内の中学校の美術部員が地元産品に思いを込めて描いたポスター6枚を並べ、筑波大生がデザインを仕上げた。

ふるさと納税の返礼品として、19日からポータルサイト「さとふる」に掲載。5千円の寄付で2パックを返礼する。ピューレ2パックに梨3キロが付いたセットは寄付額1万5千円。

一般販売用は1パック250グラムで680円(税込み)。今後、農産物直売所などでの販売を見据える。業務用1キロ入りも製造し、キッチンカーや地元飲食店での活用を想定している。

梨ピューレは、一緒に煮込むと肉がやわらかくなるほか、ゼリーやケーキなど洋菓子の材料になる。そのまま飲むことも可能。常温保存でき、賞味期限は1年。

同市は「地元の活力で地域循環する持続可能な農業を推進し、地産地消、世代間交流、フードロス意識の啓発などにつなげたい」としている。

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