業界初、宇都宮のスズテックが新商品 育苗マットの自動供給機、24年3月発売へ

種まき作業で人工マットを自動で充填する新商品=宇都宮市内

 農業用機械器具製造のスズテック(宇都宮市平出工業団地、鈴木直人(すずきなおと)社長)は24日までに、コメの種まき作業で育苗箱に育苗マットを自動でセットできる新商品「人工マット充填(じゅうてん)機(MJ500)」を2024年3月に発売すると発表した。同社によると、育苗マットの自動供給機は業界初。自動化により種まき作業の負担軽減に貢献する。

 育苗マットは、床土の代わりに用いる人工のマット。重量は約4キロと床土に比べ約2~3キロ軽く、持ち運びの負担を減らすため導入する農家が増えているという。ただ、育苗マットを苗箱にセットするのは手作業で行う必要があり、負担を軽減しようと開発した。

 新商品は一度に最大で30枚の育苗マットをセットできる。機械の上部から1枚ずつ自動で押し出され、コンベヤーに流れる空箱に自動でセットされる仕組み。価格は65万7800円。来年度は農家への周知を徹底することに注力し、量産化につなげたい考えだ。

 23日に同社で開いた新商品発表会で、鈴木社長は「今後も現場第一に考え、独自技術で低コスト・省力化商品を開発し、提供していきたい」と話した。

 発表会では、ユリの球根の植え付けやその後の覆土作業を軽減する「ユリ覆土機(YF6)」、タマネギの根や葉を自動でカットする「新玉ねぎ調製機(RTC3600)」も披露された。

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