トマトキバガを茨城県内で初確認 病害虫、県が注意呼びかけ

トマトキバガの成虫(県病害虫防除所提供)

茨城県病害虫防除所(笠間市)は24日、トマトやピーマンなどナス科植物に付く南米原産の病害虫「トマトキバガ」が県内で初めて確認されたと発表した。県内3地点のトラップで雄の成虫が確認された。農作物への被害は報告されていない。

同防除所によると、トマトキバガは体長5~7ミリ。体長数ミリの幼虫が葉や果実にもぐり込むと、変色したり、果実の場合は腐敗したりする。雌は一生で平均約260個の卵を産むなど繁殖力が高い。今年4月施行の改正植物防疫法では、侵入警戒有害動植物に定められた。全国では、宮崎や北海道など茨城県を含む35道府県で確認されている。

県内3地点で今月17日、雄の成虫を捕獲。横浜植物防疫所(神奈川県)で調べたところ、トマトキバガと判明した。県は昨年から、県内での発生を視野に、雌のフェロモンで雄をおびき寄せるトラップ調査を進めていたという。

同防除所は「農作物の減収につながる可能性もある」と指摘し、「農地で幼虫を見つけたら農業改良普及センターに相談してほしい」と注意を呼びかけている。

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