春の高校バレー県予選前特集 女子(3) 初めてシード校として大会に臨む別府翔青の覚悟 【大分県】

来月3日、全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)の県予選が始まる。女子は28チームが参加し、夢舞台を目指す。今大会は、長年続いた4強の壁を崩した大分西や別府翔青がシードを獲得するなど、県内の勢力図に変化が起きた。今回は4強の戦いを展望する。第3回は初めてシード権を獲得した別府翔青だ。

これまで8強入りが目標であった別府翔青が、大きくジャンプアップした。6月の県高校総体でシードの臼杵に勝利し、同校初のベスト4入りを果たした。決勝リーグでは3戦全敗を喫したが、キャプテンの末岡姫夏(3年)は「初めてのステージで、これまでの試合と比べものにならない声援があり、緊張感もあった。対戦相手もギアが上がった感じで、実力が発揮できないまま終わった」と悔しさを口にしたが、もう一度、高いレベルで試合をしたいとの思いが強くなったという。

飛び抜けて力がある選手がいるわけではないが、「つなぐバレー」をモットーに地道に練習してきた。レシーブ練習に時間を割き、ボールを落とさないことに力を注いだ。相手の強打に食らいつき、届かなくても決して諦めずに手を伸ばす。何度も繰り返し練習して実力が付いてきた。末岡は「これまで先輩たちが築いてきたことをブレずに表現できた結果が4強だった」と振り返る。

レシーブ力で駆け上がった別府翔青

春の高校バレー県予選は、初めて第4シードとして迎える大会だ。これまでのスタイルを変えることはないが、「一人一人の勝ちたい思いが、これまでに比べて強くなった」とは井上菜月(3年)。互いのプレーに対して要求するレベルも高くなった。誰もが「試合に出たい」という思いも強くなり、けがから復帰した選手が戻ったことで、ベンチメンバー入りを懸けた争いは激しくなった。チームとしてのレベルが一段階上がったことを感じている。

追われる立場となったプレッシャーもあるが、末岡は「私たちは挑戦者であることは変わらない。まずは4強に入り、次の大会もシードに入れるように、いい形で後輩にバトンを渡したい」と話し、井上は「出だしが悪いので、立ちあがりから自分たちのバレーができるように盛り上げたい」と意気込みを語った。第4シードとしての誇りを胸に、粘り強さが加わったつなぐバレーを発揮する。

勝ちたい思いが強くなったと話す井上菜月

(柚野真也)

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