大分市の「大分薬草の会」が出荷スタート 茶葉の試験販売も【大分県】

薬草の出荷を始めた「大分薬草の会」の甲斐賢二事務局長(左)ら=大分市竹中
販売しているエキナセア茶(左上)(「豊後折詰まるみや」のホームページから)
耕作放棄地を活用して栽培するエキナセア

 【大分】大分市竹中で薬草の里づくりに取り組む「大分薬草の会」(約30人)が、薬草の出荷と茶葉の試験的な販売に乗り出した。消費者のニーズを探り、商品づくりに生かす。地域と連携し、豊かな自然と耕作放棄地を地域づくりに活用しようと発足して5年。着実に歩みを進めている。

 同会は、竹中を拠点に里山保全などに取り組むNPO法人「碧(あお)い海の会」を主体に、薬草や香草に関心のある人たちで2018年に設立。薬学博士、大分大医学部の教授らがアドバイザーを務める。21年には活動拠点と住民交流の場として地域食堂「薬草の里たけや」を開設した。

 会の活動は、講習会を通じて薬用植物の効能や栽培・料理法などの知識を身に付けるところからスタート。管理や収穫のしやすさなどを探るため、地域の休耕田を借りて10種類ほどを栽培。その中からエキナセア、レモングラス、ニホンヤマニンジンに絞ったという。

 中でもエキナセアは「免疫力や抗ウイルスへの効果が期待され、ニーズや収益が見込める」(同会)ことから主力として栽培に取り組む。屋外と機械で乾燥し、茎、葉、花に分け、会員の原田政直さん(53)が社長を務める市内の食品製造会社に出荷。「豊後折詰まるみや」(同市新川町)の店舗とインターネット、取引先のスーパーなどで「おおいた県産エキナセア茶」の名称で販売している。

 「お客さんから癖がなく飲みやすいという言葉を頂いている」と原田社長。手軽に飲めるティーバッグやブレンドティーも売り出す予定という。

 本年度は栽培に関心のある地域の人に苗を配布した。来年度は収量を増やし、本格的な販売を考えている。

 同会の甲斐賢二事務局長は「粉末にすれば料理にも使える。消費者のニーズに合った商品、販路など実績を作ることで、栽培や出荷をしてみようという人が増えてくれれば」と期待を込める。

 地区内外に関わらず共に栽培、作業をしてくれる人も募集中。問い合わせは甲斐事務局長(090.9497.7263)。

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