誰でも楽しく富山市内日帰り旅 年齢や障害問わない「インクルーシブ」、クルーズ船に一行笑顔

運河クルーズを楽しむ参加者=富岩運河環水公園

 年齢や障害の有無にかかわらず誰でも楽しめる日帰り旅行「インクルーシブ未来旅」が24日、富山市内で行われた。参加者は富岩運河環水公園や岩瀬カナル会館などを巡り、クルーズ船乗船や、まち歩きを楽しんだ。

 「インクルーシブ」は「分け隔てのない」などの意味があり、SDGs(持続可能な開発目標)の理念にも通じるとされる。日帰り旅行はSDGsを広め、自ら実践する「SDGs推進コミュニケーター」の富山市民6人が初めて企画。車いすを利用していたり、職場や学校に行きづらいと感じていたりするため、大勢で旅行を楽しむ機会が少ない人に呼びかけた。

 この日は13人が参加し、介護士らが同行した。一行は富山駅を出発し、旅行代理店の担当者から道中にあるモニュメントなどについて説明を受けながら富岩運河環水公園まで散策。同公園でクルーズ船「富岩水上ライン」に乗った。岩瀬カナル会館で食事をしながらSDGsに関するクイズに答えたり、オーバード・ホール「中ホール」でバックヤードを見学するなどした。

 車いすを利用している90代の母親と参加した同市寺家(大沢野)の岡崎俊彦さん(76)は「車いすでも通りやすい道を選んでくれた。母は久しぶりに外に出て、楽しそうだった」と話した。

旅行代理店の担当者から説明を受けながら散策する参加者

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