悩む子どもの居場所に 茨城・筑西市 来年4月に新施設 学習・生活支援、自立育む 

「子どもの居場所『コンテ』(仮称)」の完成予想図

不登校や家庭環境などに悩む子どもたちを支援する施設「子ども第三の居場所」が来年4月、茨城県筑西市内に誕生する。全国で同施設を推進するB&G財団(東京)の助成を受け、市が開設する。一般社団法人「茨城サドベリースクール」(同市)が運営主体となり、安心して過ごせる空間を提供し、学習・生活支援などを通して自立に向けた「生きる力」を育む考えだ。

市によると、新施設は「子どもの居場所『コンテ』(仮称)」。同市西方に木造平屋約190平方メートルの建物に、活動スペースや個別学習ブース、相談室、キッチンなどを備える。市内の小学生が対象で定員は20人。利用時間は平日の午前9時~午後7時。学習・生活支援のほか、食事の提供、スポーツ・農業体験活動などに取り組む。

子ども第三の居場所は、同財団と日本財団(東京)が2018年度から全国で整備を進めている。9月末現在で全国に181施設あり、茨城県内では笠間、つくば市にある。

筑西市は今回、不登校増加を背景にB&G財団の助成を申請し、採用された。同財団は新施設の開設費5631万円のうち、5千万円を助成するほか、開設後3年間の運営費として1年当たり最大で1440万円を支援する。

13日に助成決定書授与式が同市役所で開かれ、出席した同財団の朝日田智昭常務理事は「さまざまな困難を抱える子どもたちの新たな居場所、子育て支援の拠点として幅広く活用できる」と説明。須藤茂市長は「将来に向けて自立できる子どもたちを育てていきたい」と述べた。

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