中国禁輸で自粛のナマコ漁、11月解禁 青森県漁連 国内向けなど一定の需要見込む

 青森県漁連の二木春美会長は24日、中国の日本産水産物禁輸措置を受け、各漁協へ10月の自粛を要請しているナマコ漁について、11月に解禁すると明らかにした。県漁連はこれまで、禁輸で中国向けのナマコの買い手がつかない-と自粛の理由を説明していたが、改めて買い取り業者に聞き取りした結果、一定の需要が見込めると判断した。

 青森市の県水産ビルで同日、県漁連と県内33漁協が11月のナマコやアワビの漁について協議し、非公開の会議後、二木会長が報道陣の取材に説明した。

 二木会長によると、ナマコ漁の自粛で漁業者の収入が落ち込んでいるとして、解禁を求める漁協が多かったという。業者の聞き取りでは、国内向けの流通分など一定数を買い取るとの説明があった-とした。

 漁を見送った10月分の賠償については、去年までの過去5年間のナマコの平均価格を漁協ごとに算出し、東京電力へ請求する。11月分の漁獲も価格が落ち込んだ場合は、過去5年間の平均との差額分の支払いを求める方針という。

 二木会長は取材に「漁業者は大変苦しい状態。いくらかでも収入を増やしたいとの声が多く寄せられていた」と説明した。ただ業者は、禁輸前のような大量の買い取りはできない-と説明しているといい、漁獲量は「業者と相談しながら決めたい」とした。

 会議ではアワビ漁を予定通り11月に解禁することも決めた。県漁連によると、アワビの流通先は国内中心という。

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