JR浦和駅前に「ゲル」出現!寺社を経由しさぎ山へ…旅するオブジェ 「心の中」から聴診器使い「聞く」社会

浦和駅東口駅前市民広場に展示された「ゲル」のオブジェ=22日午後、埼玉県さいたま市浦和区東高砂町

 「野良の藝術2023大地の鼓動」の「大地の風・ゲル―旅するオブジェ」が22日、埼玉県さいたま市浦和区の浦和駅東口駅前市民広場で開催された。展示されたのは、モンゴルの伝統的な移動式住居「ゲル」のオブジェ。ゲルは11月2日に浦和区本太の延命寺を経て、同3~5日に緑区上野田のさぎ山記念公園に展示される。

 市街地から見沼田んぼ地域に移動することで、里山の自然環境を守る重要性を理解してもらおうと企画された。ゲルの空間の内が心の中、外が社会を表している。ゲルの中に入ると視界が遮られ、社会は見えなくなる。内部の聴診器を使用して外の音を聞くことにより、社会とつながり心が開かれていくという。

 主催する「社会芸術/ユニット・ウルス」(東京都多摩市)代表の芸術家吉田富久一さん(70)は「孫、ひ孫の世代まで、里山の自然を伝えていきたい」と話していた。

 野良の藝術はさいたま国際芸術祭2023の応援プロジェクト。旅するオブジェは、4、5日に開催される「みぬま秋フェス2023inさぎ山」と合流する。

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