「ハロウィーン来ないで」渋谷区の対応に賛否の声

ハロウィーンまであと一週間。渋谷区の長谷部区長は、改めて期間中に渋谷に来ないよう呼びかけました。ハロウィーンが迫る渋谷の街を取材しました。

渋谷区で10月24日に行われたのは、仮想空間上で再現された渋谷の街で楽しめるバーチャルハロウィーンの発表会です。出席した渋谷区の長谷部区長は、改めて期間中は渋谷に集まらず、バーチャルで楽しんでほしいと呼び掛けました。

渋谷区 長谷部区長:「なかなかハロウィーン期間を街で楽しんでもらうのは難しい状況。リアル以上に楽しめるコンテンツもたくさんあるので、ぜひ楽しんで、渋谷を感じてほしい」

例年、若者を中心に多くの人が集まり、飲酒などによるトラブルが問題となっていた渋谷のハロウイーン。そこで9月、渋谷区の長谷部区長はこう訴えました。

渋谷区 長谷部区長「ハロウィーン目的で来街を予定している人がいるのであれば、考え直して欲しいということを伝えたい。ハロウィーン期間に渋谷駅周辺に来ないで欲しいという意味です」

期間中は渋谷に来ないでほしい…。今年はそのための対策が取られることになりました。

記者:「こちら渋谷ハチ公前広場には日本語と英語で、渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありませんと書かれた大きな看板が設置されています」

渋谷の街には、至るところにハロウィーン目的で渋谷を訪れないよう呼びかける看板や旗、横断幕などが設置されています。区の対応に街の人は…

20代女性:「区長に賛成で、ちょうどハロウィーンは渋谷にアルバイトで来る。帰りが人でごった返していたら帰りづらいので(区長に)賛成」
18歳男性:「ごみが散らばっていたり、アルコールで暴れてしまう人もいて警察も大変だと思うし、巻き込み被害をくらうのも嫌なので、その点で(渋谷でハロウィーンを)やらない方が良い」
ドイツ人:「安全の問題だと思う。たくさんの人が同じ場所に来て飲酒をすると危ないので」

渋谷区の方針に賛同する声が聞かれる一方で…

20代女性:「ハロウィーンはコスプレしてハロウィーンを楽しみたい」
20代女性:「3年前か4年前くらいに渋谷をハロウィーンの聖地にみたいな看板を同じ場所に書いていたと思うが、それでこうなっちゃうんだみたいな。自分で言ったからこうなっちゃったのに」
20代男性:「みんながちゃんとルールを守れるという理想を掲げるのであれば、新しい楽しい文化なのかなと思うので、100%禁止というのは寂しい」
オーストラリア人の観光客:「(Q:たくさんの人が集まる渋谷のハロウィーン知ってますか)うん知ってるよ。もっと良い管理方法があると思う。今は完全に禁止されているだけだから。例えばイベント会場にするとかね。全てのエリアをコントロール出来れば良いと思う」

さまざまな意見がある中、地元の商店街ではどう受け止めているのでしょうか?

渋谷センター商店街振興組合 鈴木理事長:「渋谷の周辺における路上においては、ハロウィーン会場ではないということ。これはもう当たり前のこと、当たり前のことを当たり前に言わなければならないこの状況が非常に残念。このメッセージを発信するのは当然のこと」

また、店によっては独自の対応をとるところもあるようです。渋谷センター街にあるこちらの飲食店では、通常、午後10時までの営業をハロウィーン当日の31日は、午後3時半で終了することを決めました。

飲食店担当者:「昼の営業だけの売り上げだと、ちょっと足りないかなというところなので。夜の営業を止めることなので、正直痛手ではありますね」

30日も、周辺の状況によっては夜の営業を短くすることを検討しているということです。

ハロウィーンを一週間後に控え、渋谷区は様々な対策を打ち出しています。まずは、渋谷駅前の巨大看板などの広告による呼びかけです。そして、ハロウィーン期間中の夜間駅周辺やセンター街の一帯で路上での飲酒を禁止するほか、周辺のコンビニエンスストアなどに酒類の販売自粛を要請しています。

さらに、去年に引き続き区の職員や警備員を配置して、路上飲酒・喫煙などを注意するということです。ただ、この路上飲酒の禁止に関して、渋谷センター街の鈴木理事長は、禁止されているにもかかわらず 去年は特に深夜帯に路上での飲酒が散見されたとして、罰則を設けるなど規制の強化もやむを得ないのではないかと話していました。

また渋谷区の長谷部区長は、「ハロウィーン目的で渋谷に来ないで」という発言について、「外国人観光客が増加し、さらなる混乱の恐れがあるから」とした上で、街として「来ないで」と発信せざるを得ないのは、「忸怩たる思い」だと話しています。

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