永見徳太郎 ゆかりの品紹介 長崎県美術館で企画展 来年1月8日まで

永見徳太郎ゆかりの作品が並ぶ企画展=県美術館

 長崎有数の資産家で美術品コレクターでもあった永見徳太郎(1890~1950年)ゆかりの品々を紹介する企画展「浪漫(ろまん)の光芒(こうぼう)-永見徳太郎と長崎の近代」が14日、長崎市出島町の県美術館企画展示室で開かれている。来年1月8日まで、前中後期に分けて開催する。県、県美術館主催。長崎新聞社など共催。
 永見は同市銅座町の商家に生まれ「銅座の殿様」と呼ばれた。南蛮美術をはじめとする数々の美術品を集め、自らも絵画や写真などの作品を手がけた。さらに小説家の芥川龍之介や画家の竹久夢二らが来崎の折、永見邸に招くなど文化人と幅広く交流。36歳で東京へ移住後は故郷長崎の歴史や文化をラジオや雑誌などで積極的に発信した。
 同展では神戸市立博物館などが所蔵する永見の旧蔵品を中心に、多彩な活動の全貌に迫る約180点を展示する。前期では江戸時代の南蛮屏風(びょうぶ)を掛け軸の形式に仕立てた「南蛮人交易図」のほか、芥川が永見邸で目にした絵図を入手すべく、人気作家の生原稿との交換を申し出た書簡などもある。
 鑑賞した長崎市坂本2丁目の女性(51)は「長崎にこういう人がいたことを知り勉強になった。夢二が永見に贈った『長崎十二景』は見応えがあった」と話した。

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