所沢の中核市移行「歓迎」 大野知事、定例会見で言及 県内外で議論呼んだ虐待禁止条例案は「他山の石に」

大野埼玉県知事

 22日投開票の埼玉県所沢市長選で中核市への移行を公約に掲げた小野塚勝俊氏が当選したことを受け、大野元裕知事は24日の定例会見で「一番大きな変化を所沢市にもたらす可能性がある。住民に身近な行政はできる限り近いところで行う、これは地方分権の大きな趣旨であり、歓迎したい」と述べた。

 中核市の指定を受ければ、さまざまな分野で事務権限を担うことになり、大野知事は「地域の実情に合わせることで総合的な保健サービスの提供が可能になる。県としても全面的に支援させていただきたい。イメージアップや知名度の向上も期待でき、地域の核として広域的なリーダーシップを担うことができるとすれば、これも歓迎したい」と話した。

 選挙結果については「ニーズに合った政策が分かりやすく伝わって支持された。市政への関心が高まって投票行動につなげてくれたことは喜ばしい。子育てについて訴えた公約の中身だけを見ると目新しいものがないので、有権者に対して分かりやすい形で言った、あるいは(前兵庫県明石市長の)泉さんのイメージがプラスに働いたのかもしれない」と分析した。

 自民党県議団が9月定例会に提出・撤回した虐待禁止条例案改正案が影響したかどうかについては「非常に大きな反響があったので、影響は否定できない。県としては今回の状況を『他山の石』とし、子育てしにくいと誤った印象を与えることがないように真摯(しんし)に取り組んでいくことが大切だと感じた」と話した。

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