ミラノのファッション専門家、丹後織物「面白い」 京都府案内で産地視察

丹後地域の織物会社を視察した感想を語るモッタさん(右から3人目)とボルサッティさん(同4人目)=京丹後市峰山町杉谷・まちまち案内所

 イタリア・ミラノのファッションやインテリア関係の専門家2人が、主要産地の京都府の丹後地域を約2週間にわたって視察した。京都の伝統産業の一つ、丹後織物を世界に発信しようと府職員が案内し、2人は職人のきめ細やかな手仕事や品質の高さに感心していた。

 府染織・工芸課は7月、織物の新たなビジネスモデルの構築と自然豊かな丹後地域のブランド力向上を目指し、ミラノの繊維会社の最高経営責任者とミラノ工科大教授に同地域の織物産業を案内した。

 その2人が紹介した同大学研究員のマルティナ・モッタさん(34)と織物デザイナーのマルティナ・ボルサッティさん(31)が、9月25日から10月7日にかけて京都府京丹後市や京都府与謝野町の織物会社9事業所を見学したほか、日本の伝統産業や文化を知るため提灯職人や和紙職人を訪問したり、寺社や史跡を巡ったりした。

 6日には京丹後市峰山町杉谷の交流施設「まちまち案内所」で報告会があり、ボルサッティさんは細部にまでこだわり抜かれた織物の質の高さに感心した様子で、「西欧の織物に丹後ちりめんを少し付け加えてみると面白いかも」と新たな可能性を指摘。モッタさんは「今回の体験を発信し、丹後の職人と海外のデザイナーを結びつけていきたい」と意欲を示していた。

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