25年、上富田に「よってって」 グループ最大の産直店、収穫体験や公園も、和歌山

「木のまち・南紀の台 丘の駅よってって」のイメージ図(プラス提供)

 和歌山県上富田町南紀の台に、関西圏で産直店を展開する「プラス」(本社・田辺市宝来町)がグループ最大の施設をオープンさせる。名称は「木のまち・南紀の台 丘の駅よってって」。公園や収穫体験ができるスペース、ドラッグストアなどを併設し、防災機能も備える計画で、2025年春の開業を目指している。

 「プラス」は和歌山や奈良、大阪で「産直市場よってって」を運営している。02年に田辺市稲成町に1号店を開店し、現在は県内15店、大阪府内9店、奈良県内6店を展開。兵庫県や滋賀県への展開も予定している。

 南紀の台に新設するのは、農水産物の直売所を中心にした施設で「過去最大」という。事業主体は「プラス」と関連企業「ノダヤ」(本社・田辺市宝来町)。全体面積は約6万6千平方メートルで、地域の活性化を目的に「食」「遊」「設(設備)」「農」「防(防災)」をコンセプトとした施設を備える。

 例えば、果物が全国有数の生産量を誇る「フルーツ王国」和歌山ならではのスイーツを提供できるカフェを誘致。地元の農・海産物を活用した飲食店も施設内に設ける。親子で楽しんでもらえる場所「フルーツ公園」も併設し、公園には日本一の生産量を誇るミカンや柿、梅などをモチーフにしたモニュメントを配置する。

 多目的ホールでは、農業を支えている生産者やその農産物について情報を発信するほか、コンサートや展示会など各種発表の場としても活用する。また、25年度内を目標に、イチゴの収穫体験ができるスペースを設けるほか、サツマイモ掘りなどの体験農場もつくる。

■木造6棟、防災機能も

 建物は計6棟あり、地元の木材を活用した木造で建設する。駐車場は500台分(うち大型バス10台)。災害時の避難場所や備蓄基地としての機能も備える計画という。

 23日、上富田町役場で記者発表した「プラス」の名誉会長で「ノダヤ」社長の野田忠さん(87)は「ドラッグストアも入ることで、地元の人に喜んでいただける品ぞろえができると思う。それに、お土産を中心にフルーツを全面的に打ち出して観光客にも立ち寄っていただける、そういう商品構成を考えている」と説明。「『フルーツ王国』和歌山を、もっと全国の人に知っていただく、その発信基地にしたい」と語った。

 また、記者発表に同席した上富田町の奥田誠町長は「魅力的で、将来性を感じる施設を計画していただき、本当にありがたい」と感謝の言葉を述べ、「施設のコンセプトは、紀南地方が抱えている課題の解決につながるだけでなく、さらなる活性化が図られると期待している」と話した。

土砂の運搬が進む建設計画地(24日、和歌山県上富田町南紀の台で)
「木のまち・南紀の台 丘の駅よってって」計画地地図

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