石川さゆり 役所広司と共に世界的な映画監督の作品に出演 オファーを受けた理由は「歌い手の好奇心…」

俳優の役所広司、石川さゆりらが10月23日に都内で行われた『第36回東京国際映画祭』のオープニング作品・映画『PERFECT DAYS』の舞台挨拶に登壇。今作で演じた役についてや、オファーを受けた理由を明かした。

役所は自身が演じた公衆トイレの清掃員・平山について「撮影中(ヴィム・)ヴェンダース監督はいつも“平山みたいに生きたい”とおっしゃっていて、そういう人物を目指せばいいのかと思って。都会の中で生きている男ですけど、森の中で呼吸しながら生きているように演じました」と役への思いを語った。

豪華な俳優が勢ぞろいの中、歌手の石川は「出演のお話をもらった時に、ヴィム・ヴェンダース監督の映画と聞いて役者さんたちは“自分へのご褒美だ”と言っていましたが、私はそこまでのすごさがわからなくて…」と少し苦笑いで話し、「役所さんが出演、素晴らしい監督というだけで、歌い手の好奇心で“出ます”と言ってしまいました」とオファーを受けた時の気持ちを振り返った。

そして、今作について石川は「私たちの歌作りと似たものを感じて。木漏れ日の中から“やっぱり1人はさみしいよね”とか“こういう時に人がいてくれたらいいね”とか、そんなことを感じる、本当にあたたかい映画だなと」と笑顔で語り、「今の時代だからこそ見ていただきたいです」と呼びかけた。

唐突に今作へのコメントを振られた田中泯は「えっ…突然(笑)」と笑顔で驚き、会場は一気に和やかに。自身が演じた、主人公・平山(役所広司)と奇妙なつながりを持つホームレスについて田中は「僕は主人公・平山にしか見えない役で、一言もしゃべりません。ですから(今日も)しゃべらないでおこうかなと思ってました(笑)」と笑いを誘った。

田中は「一番初めの撮影が、トイレのある木の下で。ヴェンダース監督が“もうすぐ木の下に木漏れ日がさすから踊ってくれ”って言ってくれて」と撮影現場でのエピソードを明かした。このヴェンダース監督の言葉に田中は「映画監督から“踊ってくれ”って言われたのは初めてで、すごくうれしかったです。それからの毎日はうれしくてうれしくて仕方がなかった」とあたたかい思い出になったと語った。

映画『PERFECT DAYS』
『パリ、テキサス』『ベルリン・天使の詩』などの傑作を世に送り出し続けたドイツ出身の名匠ヴィム・ヴェンダース。彼が尊敬する役所広司を主演に、公共トイレ清掃員の日々を描く。第76回カンヌ映画祭最優秀男優賞を受賞した。

■出演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯、三浦友和ほか
■公開:12月22日(金)より TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
公式サイトはこちら
■配給:ビターズ・エンド
©2023 MASTER MIND Ltd.

<第36回東京国際映画祭 開催概要>
■開催期間:2023年10月23日(月)~11月1日(水)
■会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区
公式サイトはこちら
<TIFFCOM2023 開催概要>
■開催期間:2023年10月25日(水)~27日(金)
■会場:東京都立産業貿易センター浜松町館
公式サイトはこちら

写真:©entax

© 株式会社 日テレ アックスオン