猛暑の影響で“等級落ち”した今年はチャンス!旬食材で節約&時短の「新米」レシピ

ほとんどの食品食材が値上がりしている中、米は安定(写真:color/アフロイメージマート)

猛暑と少雨の影響で、今年の新米は全国的に見た目が白く、形や粒が小さい二等米が増えている。日本を代表するブランド米である新潟県コシヒカリや秋田産あきたこまちなども、ことごとく等級を落としている状態だ。

この傾向について、5ツ星お米マイスターで米屋「米処結米屋」を営む澁谷梨絵さんはこう話す。

「今年の夏は高温と水不足が続き、高温障害で乳白色のお米が多く、等級が下がってしまったと苦労された農家さんが多いです。

私が販売するお米はすべて試食していますが、令和5年産米を試食する中で、乳白色の多いお米は確かに外観はあまり良くありませんが、炊飯後の味わいは大きな影響がありませんでした。

乳白色のお米は、高温によりでんぷんが部分的に密度が低くなり、光が乱反射して白く濁ったように見えます。また、水分を吸収しやすくなるため、柔らかく炊きあがることがありますが、お米の成分は変わらないので、味に遜色はありません」

むしろ、吸水が早いため吸水時間を短縮でき、早く炊き上げることができるという。秋のごちそうである炊き込みごはんも、調味料を短時間で吸収するため、うま味がしっかりと染み込んだごはんを味わえる。

「二等米が増えたことで、ブランド米の値上げが抑えられていると言われています。さまざまな食材が値上がりするなかで、米の価格は安定していますし、品種によってはブランド米なのに1~2割安くなっているものもあるんです」(澁谷さん、以下同)

スーパーでは、新米に合う旬のきのこや秋鮭が安く出回るころ。この秋は北海道で鮭の豊漁が予想されているため、単価も安くお買い得。

そこで新米をおいしく食べられるレシピを、今回3つご紹介。レシピ本『炊飯器で一発定食』(Gakken)の著者でもある澁谷さんに教えてもらった。

いずれも炊飯器ひとつで手軽にできる。安価に抑えられる旬の食材でコスパ良く、家計を守りながら時短も叶う3品だ。

■「秋鮭とコーンの炊き込みごはん」

【材料】(2合分)

米…2合
生鮭…2切れ
コーン缶…1缶(180~200g)
A:しょうゆ…大さじ1、和風顆粒だし…小さじ2
バター…10g

【作り方】

〈1〉米は洗い、30分ほど浸水させる。
〈2〉炊飯器に水をきった米、Aを入れて混ぜ、鮭と缶汁をきったコーンを入れ、水を2合まで入れてふつうモードで炊く。
〈3〉炊きあがったらバターを入れて全体を混ぜる。

「新米の時期に必ず作るレシピ。米と調味料、鮭を丸ごと入れるだけ。魚がふっくらと蒸らされて、美味しく炊きあがります」

値上がりしている缶詰は、安価なプライベートブランド(PB商品)を選ぶのがポイント。

■「きのこチーズリゾット」

【材料】(2合分)

米…1合
玉ねぎ…1/2個
ベーコン…50g
しめじ…1/2パック
A:牛乳…360ml、水…180ml、バター…15g、顆粒コンソメ…小さじ2、塩…小さじ1、こしょう…適量
とろけるチーズ…100g
粉チーズ、こしょう…各適量

【作り方】

〈1〉玉ねぎはみじん切り、ベーコンは短冊切りにし、しめじはほぐしておく。
〈2〉炊飯器に米(洗わなくてOK)、〈1〉、Aを入れてさっと混ぜ、早炊きモードで炊く。
〈3〉炊きあがったらチーズを加えて混ぜ、粉チーズ、こしょうを振る。

この時期、価格が安くなるきのこでかさ増し。1合分の米で、2倍の量に。生米から炊くため、米の食感もしっかり味わえる。

■「秋なすみそ炒め定食」

【材料】(2合分)

米…2合
鶏ひき肉…100g
なす…3本
A:みそ、みりん、砂糖…各大さじ1と1/2、ごま油…小さじ1

【作り方】

〈1〉洗った米を炊飯器に入れ、2合まで水を入れ、水大さじ2を足す。上にクッキングシートを二重に敷き込む。
〈2〉なすは食べやすい大きさに切り、水にさらして水気を切る。Aを混ぜ合わせ、ひき肉となすを加えてさっくり混ぜる。
〈3〉〈1〉のクッキングシートの中に〈2〉を入れて、ふつうモードで炊く。

「新米は白米のままで食べたいという人は、炊飯器で浸水した米の上にクッキングシートを敷き込み、おかずの材料を入れてスイッチを押すだけで、白いごはんとおかずが同時に出来上がります。

お肉の中でも安価な鶏のひき肉を加え、ごはんと相性◎のみそ味にすれば、とろとろのなすに甘みそが染みてごはんが止まりません(笑)。新米ならではの香りとみずみずしさ。ぱりっとしたお米の粒感を味わって」

軒並み高騰している野菜の中でも、安定している秋なす。3本190円、ひき肉98円とひとり150円ほどで、新米に合うごちそうおかずに!

お財布にやさしいレシピで、新米と旬の味覚を味わって♪

© 株式会社光文社