来年の歌舞伎界の盛り上げが期待される新春公演

歌舞伎俳優の尾上松也らが、来年1月2日から東京・浅草公会堂で上演予定の「新春浅草歌舞伎」(1月26日まで)に出演することが、先ごろ発表された。

出演するのは、これまでリーダー的存在として同公演を引っ張って来た松也をはじめ、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉の9人。

次代の歌舞伎界を担う花形が顔をそろえる同公演は、「若手歌舞伎俳優の登竜門」と言われ44年の歴史がある。出演者全員が初役(初めて演じる役)で、大役に挑む場としても知られている。

2部構成でそれぞれ3作ずつ上演。第1部の3作目と第2部の3作目には、総勢9人の出演者が勢ぞろい。また、新型コロナウイルスの影響で見合わせていた、出演俳優による「お年玉年始ご挨拶」や、観客が着物で観劇する「着物で歌舞伎」(1月21日の第2部)の復活も決定したというから、歌舞伎ファンならば足を運んでおきたい舞台になりそうだ。

「今年の歌舞伎界といえば、両親の自殺ほう助罪で起訴され公判中の市川猿之助被告の事件が世間の関心を集め、おまけに猿之助被告のセクハラ&パワハラも報じられネガティブなイメージが広まってしまった。来年の浅草歌舞伎は、今後の歌舞伎界をけん引することが期待される俳優ばかりが出演。大いに話題づくりをすることによって、歌舞伎界にとっていい1年のスタートを切ってほしいもの。隼人は猿之助の代役を努めて観客に好評。同じく代役を務めた市川中車(香川照之)の息子の市川團子の来年以降の出演も期待される」(演劇担当記者)

歌昇は公開中の映画「おまえの罪を自白しろ」に出演し、橋之助は「歌こそすべて」(来年秋公開)で主演を務めるなど、歌舞伎ファン以外にも顔と名前が知れた松也に負けじと歌舞伎以外に活躍の場を広げている。

© 株式会社ジェイプレス社