浦和L、ユース出身22歳MF一法師央佳が現役引退…運動誘発性不整脈でドクターストップ「医師から『命が第一優先』と言われた」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

三菱重工浦和レッズレディースは25日、MF一法師央佳(22)が今月末を持って現役を引退することを発表した。
【写真】無念の引退となってしまった浦和Lの一法師央佳

一法師はクラブを通じてコメント。運動誘発性不整脈を発症し、医師からもストップがかかったとのことだ。

東京都出身の一法師は浦和Lの育成育ちのボランチで、浦和レッズレディースジュニアユース、浦和レッズレディースユースと昇格し、2020年に髙橋美紀とともにトップチーム昇格を果たした。

昇格後は2度の右ヒザ前十字じん帯損傷に見舞われるなどケガに苦しみ、リーグ戦での出場はなし。WE初出場へ向けてのリハビリ中だったが、引退の決断を下すこととなった。

「いつも応援ありがとうございます。このたび、現役引退することになりました。突然のご報告、そして大事なAWCCIT、WEリーグの開幕が控えている中となってしまい申し訳ございません」

「私は、今まで2度の前十字靭帯損傷から復帰に向けてリハビリに励んできました。同じ怪我をして一緒にリハビリをしてきた先輩たちが続々と復帰していく姿を見て、焦る気持ちもありつつ次は私の番だと思いながら毎日を必死に過ごしていました」

「そんな中、体調が優れずリハビリも思うように進まない日が続き、リハビリを一旦中断して検査入院をしていました。検査をしていくうちに、突然死につながる運動誘発性不整脈が練習中に出ていたことが分かり、このままだとまたいつ致死性の不整脈が起こるか分からないため、ICDという植込み型除細動器を植込む手術を行いました。正直、このことを発表するかすごく悩みましたが、包み隠さず伝えさせていただきました」

「医師からも『命が第一優先なのでサッカーは諦めてください。』とはっきり言われてしまいました。まさか自分がこんなにも早く引退することになるとは思っていませんでしたし、ショックが大きかったです」

「ユースから昇格してからの4年間は、プレーしている時間よりリハビリをしている時間の方が長く、思い描いていた日々を送ることができませんでした。辛いことの方が多くそんな自分が嫌で嫌で、このチームにとって私の存在意義が何もないんじゃないかと思い、何度も辞めようかと考えましたが、やっぱりサッカーが好きだから、諦めたくなかったから今まで続けてきました」

「復帰に向け、いろいろと考えてリハビリメニューを作ってくれたスタッフのみなさん、たくさんの励ましでここまで頑張る勇気をくれたチームメイトのみんな、ありがとうございました。そして何より、日頃から応援してくださったファン・サポーターのみなさま、いつも熱い応援ありがとうございました。みなさまのメッセージがいつも私を後押ししてくれて、ここまでやってこられました。みなさまにプレーする姿を見せたかったですが、できなくなってしまいとても悔しいです。チームに貢献できず、申し訳ない気持ちでいっぱいです」

「プレーできない期間が長くなってしまいましたが、毎日が学びの連続でした。人としてもサッカー選手としても尊敬できるチームメイトと一緒にプレーできたこと、とても幸せでした!私自身、人としても成長することができました。サッカー人生最後のチームがこのチームで本当によかったです!みんな本当に大好きです!」

「最後に、5歳から今まで何不自由なくサッカーを続けさせてくれた家族には、感謝してもしきれません。いつも一番に応援してくれて、支えてくれて本当にありがとう。時間はかかるかもしれないけれど、これから少しずつ恩返しをしていきたいなと思います」

「長くなりましたが、今まで関わってくださったすべての方々、ありがとうございました。サッカーを通じて出会えた最強で最高の仲間、友達、そして経験は私の財産です。これからの人生、それを活かして頑張っていきます」

「今後の三菱重工浦和レッズレディースの活躍を心から願っています。お世話になりました。本当にありがとうございました」

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