ロシアのCTBT批准撤回確実 上院可決、核実験再開が可能に

CTBTの批准撤回法案を可決したロシア上院の議場=25日、モスクワ(ロシア連邦院提供・AP=共同)

 ロシア上院は25日の本会議で、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回する法案を全会一致で可決した。タス通信が報じた。プーチン大統領の署名による発効は確実。ロシアは核実験再開が可能になり、ウクライナ侵攻に伴う米ロの対立で悪化した核軍縮を巡る国際的環境の一層の後退が避けられない見通しとなった。

 プーチン氏は今月5日の国際討論フォーラムでCTBTの「批准撤回は可能だ」と言及。ロシア下院は同18日、批准撤回の法案を可決していた。

 あらゆる核実験を行わないよう義務付けるCTBTは1996年9月の国連総会で採択された。

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