滋賀県栗東市が整備する産業拠点の土地売買を巡る汚職事件で、滋賀県警捜査2課と草津署などは25日、収賄の疑いで同市の元産業経済部長の男(61)=大津市=を再逮捕した。また贈賄の疑いで、地権者団体の代表で会社役員の男(73)=栗東市=を再逮捕した。県警は2人の認否を明らかにしていない。
元部長の再逮捕容疑は、産業経済部政策監や同部長だった昨年2月から今年2月の間、市が産業拠点として整備していた「栗東ニューテクノパーク」内にある同委員会の土地売買を巡って、地権者に有利な取り計らいをしたことへの謝礼と知りながら、会社役員の男から4回にわたって現金計750万円を無利息・無担保で借りた疑い。
元部長は誘致企業と地権者との調整を担い、地権者が納得する額で売買を成立させたという。
両容疑者は、2021年7月にも300万円を無利息・無担保で貸し借りしたとして今月4日に逮捕された。大津地検は25日、元部長を収賄罪で、会社役員の男を贈賄罪でそれぞれ起訴した。捜査関係者によると、元部長はこれまでの調べに対し「住宅ローンなどで金に困っていた」と供述しているという。