中心街にイノシシ3頭 青森県八戸市 10月に入り目撃急増 農地被害も

アレック情報ビジネス学院の防犯カメラに写っていたイノシシとみられる動物=24日午前2時45分ごろ(同学院提供、動画の一部)

 八戸市農林畜産課によると、同市廿三日町の専門学校アレック情報ビジネス学院前で24日午前2時47分ごろ、親子とみられるイノシシ3頭を目撃した-と通りかかった人から連絡があった。目撃情報は10月に入り増えていたが、市中心街での目撃は前例がないという。市内の農地では本年度、イノシシによるとみられる掘り起こしなどの農地被害も11件確認され、市は注意を呼びかけている。

 24日に目撃されたイノシシは1頭が体長約1メートル、2頭が同0.7~0.8メートル。同学院内の防犯カメラには同時刻ごろ、イノシシとみられる動物3体が玄関前付近を動き回る様子が写っていた。人的被害は確認されていない。

 廿三日町商店街振興組合理事長の石橋司さん(68)は「市中心街にイノシシが現れたのは初めて。腰を抜かすほど驚いた。エネルギー大量消費社会の現代に対する警告なのだろうか。野生動物をおびき寄せないようなまちをつくらなければ」と語った。

 市に寄せられたイノシシの目撃情報は2019年度まではゼロだったが、20、21の両年度はいずれも6頭、22年度は16頭と増加。今年10月14日には中心街に近い根城2丁目で6頭、15日には大久保で8頭の群れが目撃された。23年度の目撃は累計で10件33頭。

 一方、イノシシによるとみられる農地被害11件のうち、2件はナガイモや水稲。被害額は計約5万3千円。

 市の担当者は「見かけた際は刺激しないよう、注意してほしい」と呼びかけている。

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