「ため息がでるほどの男社会」神奈川県警 本部長は「大変危惧」 共働き念頭に新たな派遣制度運用へ

神奈川県警本部(資料写真)

 神奈川県警の女性幹部の少なさを巡り、直江利克県警本部長は25日の定例会見で「伸び悩んでいる現状は大変危惧している」と述べ、危機感をにじませた。共働き世帯を念頭に、来月から男性警察官が1年未満の育児休業を取得しやすくなるよう、新たに派遣制度を運用する方針も示した。

 県警によると、今年4月時点で、県警察官に占める女性の割合は10.9%。警部以上では1.6%にとどまっており、今月4日の署長会議では県公安委員会の岡田優子委員が「落胆のため息がでるほどの男社会」などと訓示し、女性幹部の少なさを批判していた。

 直江本部長は、女性警察官の採用がバブル期周辺で低調になった影響を挙げつつ、長期育児休暇への人員補充や女性警察官のキャリアデザイン講習など既存の取り組みを説明。「思うように、幹部に占める割合が伸びていない」と話した。

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