熱く激突「久世だんじり喧嘩」 気勢上げ男衆躍動、観客魅了

ぶつかり合うだんじりと男衆=25日午後7時50分、真庭市久世

 真庭市久世地区で25日夜、江戸期から続く伝統の「久世だんじり喧嘩(げんか)」が始まった。太鼓やかねの音が鳴り響く中、舟形のだんじりを操る男たちが熱いぶつかり合いを繰り広げ、観衆を魅了した。

 午後7時半、先端が鉄材で補強された全長約5メートル、重さ約2トンのだんじり9基が地区中心部の“喧嘩場”に集結した。2基ずつ相対すると、ちょうちんの合図で左右にうねるなどしながら何度も衝突。男衆は「オイサ、オイサ」と気勢を上げて躍動した。

 同市、自営業の男性(81)は「若者たちの熱がひしひしと伝わってくる。新型コロナウイルス禍を経て本格的な開催となり、地域に活気が戻ってきたよう」と話した。

 だんじり喧嘩は地元5神社の合同秋季大祭「久世祭り」の中心行事。保存会は安全対策として会場周辺にロープを二重に張り巡らせ、男衆は観客の方にも目を配った。だんじり参加者への事故防止の注意喚起も徹底する。26日も午後6時から行う。

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