高水温対応、親貝確保、海外販路開拓 ホタテ戦略、年度内に骨子 青森県設置チームが初会合

陸奥湾ホタテガイ総合戦略チームの初会合であいさつする宮下知事(右)=25日、青森市

 青森県は25日、陸奥湾産ホタテガイの安定生産、販路拡大について協議する総合戦略チームの初会合を青森市のアラスカで開いた。委員13人が三つのワーキンググループに分かれ、高水温への対応、親貝確保、海外販路の開拓などをそれぞれ検討。持続可能なホタテ養殖産業の確立に向け、中長期的な戦略の骨子を年度内にまとめる。

 チームは6日設置され、県、漁業団体、研究機関などで構成。初会合では▽生産技術開発▽経営改善推進▽輸出・販売促進-の各ワーキンググループを設置し、チームリーダーに東北大大学院環境研究推進センターの尾定誠客員教授が就いた。年度内の骨子作成を経て、2024年10月までに総合戦略を策定するスケジュールも確認した。

 また、中国の日本産水産物禁輸措置に伴う国内価格への影響、今夏の高水温による湾内稚貝の大量死、漁業の後継者不足など、ホタテ養殖を取り巻く現状について情報共有。出席者からは、高水温に対応したホタテへの品種改良、中国に代わる輸出先の早期確保を要望する声が上がった。

 宮下宗一郎知事は会議後の取材に「若い人が希望を持ってホタテ産業に取り組めるようにするのが(チームの)目的。一丸となって取り組まなければ、陸奥湾ホタテ最大の危機は乗り越えられない」と述べた。

 ほかの委員は次の通り。

▽サブリーダー 山中崇裕(県水産局長)
▽委員 二木春美(県漁連代表理事会長)成田直人(東日本信漁連青森支店運営委員長)三津谷廣明(県漁業共済組合組合長理事、県ほたて流通振興協会会長理事)立石政男(むつ湾漁業振興会長)佐々木建一(海洋研究開発機構むつ研究所長)舘山元春(県産技センター企画経営室長)中田健一(同水産総合研究所長)小笠原敦子(同食品総合研究所長)中村靖人(同下北ブランド研究所長)藤森洋貴(県農林水産部参事)坪健一(同国際経済課長)

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