台湾誘客へ北陸三県連携 11月、最大旅行博出展

富山県職員らの歓迎を受ける臨時便の台湾人観光客=4月、富山空港

  ●年明け、現地で商談会 訪日回復へてこ入れ

 富山県は石川、福井両県と、インバウンド(訪日客)の最大の得意先である台湾からの誘客で連携する。11月には台湾最大規模の旅行博覧会に共同で出展し、来年2月をめどに旅行会社を対象にしたセミナーや商談会を現地で初開催する。観光庁の調査では国際線の復便の遅れから、台湾観光客の3県での宿泊は新型コロナウイルス前の6割にとどまっており、完全回復に向けて北陸三県がスクラムを組んでてこ入れを図る。

 3県が出展する旅行博覧会は、台湾観光協会が11月3~6日に台北市で開催する「2023台北国際旅行博」で、昨年度の来場者は19万5千人に上った。

 博覧会では3県のPRブースを設け、各県の職員が来場者にそれぞれの観光地や来年3月に北陸新幹線でつながることなどを紹介するほか、会場のステージで各県の魅力を紹介する。北陸の認知度やどこに関心があるかなどを問うアンケートも行う。

 現地の旅行会社向け観光セミナーとビジネス商談会は台北市内で初めて開催する。セミナーでは3県の観光地の特長や食、文化、歴史などの魅力をアピールする。商談会では北陸の宿泊や食事、体験施設などの観光事業者が参加する予定となっている。

 観光庁の宿泊統計調査では、2019年に台湾から北陸三県を訪れた人が33万2520人を数え、国・地域別で最も多かった。今年1~7月は13万3340人で、どの国・地域よりも多かったものの、コロナ前の19年同期(21万4180人)と比べると62.2%にとどまった。

 富山空港では、定期の台北便がコロナの影響で20年3月から運休しており、今年12月31日まで延長が決まっている。一方、4~5月にはインバウンド向けの臨時便を計18便運航し、2719人が利用。搭乗率は94.9%と好調だった。9月26日~10月16日には第2弾として計7便を飛ばした。

 石川では4月に小松―台北便が再開され、石川への訪日客の目安となる兼六園の外国人入園者数も、台湾からは今年1~9月が7万1341人と回復傾向が見られた。しかし、19年同期比では54.5%と伸び悩む。石川県によると、北陸で台湾からの玄関口となる中部国際空港(愛知県)などの国際便の回復が遅いことが影響している。

 3県は台湾から一層の送客を促すため、連携を強めて現地で消費者や旅行会社に直接PRすることにした。

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