好調おせち商戦 コロナ5類移行後初の正月へ

開設されたおせちの売り場=金沢市の金沢エムザ

  ●エムザ・予約が前年比3割増/大和・福井にも商品を配送

 石川、富山の百貨店がおせちの売り込みを強化している。コロナの5類移行後、初めての正月となる来年は地元に帰省する人がさらに増え、需要が高まると見込む。金沢エムザ(金沢市)はインターネットの予約数が前年比3割増と好調で、来月から売り場を設ける大和(同市)は来年3月の北陸新幹線延伸に合わせ、福井への配送を始める。

 金沢エムザは25日、地下1階に特設売り場を設けた。来店客が続々と訪れ、見本を見比べながら注文する品を決めた。

 今月1日から始めたインターネット予約は順調に推移し、8万円を超えるおせちも売れた。既に完売した商品もある。数量限定の老舗料理店の商品が人気で、今年は石川の2店舗を新たに加えた。

 前年に希望の品が売り切れて買えなかった人が早めに注文しているとみられ、担当者は「大人数用や子どもも楽しめる洋風が人気で、帰省客のニーズに応えたい」とした。

 来月1日に売り場を設ける大和の香林坊店(金沢市)と富山店(富山市)では、福井の商品を1店舗から7店舗に増やしたほか、配送エリアに福井県嶺北地方を加えた。中元や歳暮などでも福井からの注文があり、需要に応える。

 大人数で楽しめる三段重から2~3人用の1段重まで173種類を用意した。大和では、3日からオンラインショップの受け付けを始める。

 年々、おせちはインターネットなどで予約受け付けが早まる傾向にあるが、大和では店頭での予約を優先する。担当者は「地元の商品の種類を手厚くそろえた」と話した。

 百貨店関係者によると、コロナ下は自宅で正月を迎える人が多く、おせちも少人数向けが人気だったが、5類移行で帰省する人が増えて大人数向けの需要が高まると見込む。物価高で消費者の節約志向が高まっているが、北陸の正月は豪華なおもてなしをする家庭も多く、大きな商戦の一つという。

© 株式会社北國新聞社