米坂線の復旧巡り意見 県町村会、知事に20項目提案

県町村会長の鈴木浩幸朝日町長(右)が吉村美栄子知事に20項目の提案書を手渡した=山形市・パレスグランデール

 県町村会(会長・鈴木浩幸朝日町長)は25日、吉村美栄子知事を招き、山形市のパレスグランデールで意見交換会を開いた。吉村知事はJR米坂線の復旧に向け、山形、新潟両県の沿線7市町村が結束を強める必要があるとし、“米坂線復活絆まつり”などのイベントを提案した。

 冒頭、鈴木会長が2024年度「県の施策等に対する提案」を手渡した。内容は▽少子化対策の推進▽移住・定住推進への支援▽地域医療体制の整備促進―など20項目で、「学校教育環境の整備促進」と「地域公共交通ネットワークの維持・確保への支援」に絞って話し合った。

 小規模な公立高校の存続を巡り、森谷俊雄河北町長は町の谷地高への支援策に触れ「都市部の高校に生徒が流れている。高校は人づくり、地域振興の核だ」と訴えた。吉村知事は「地方創生のためにも周辺部に学校を残さなければならない。危機感を持ち、知恵を出し合い取り組みたい」と応じた。

 仁科洋一小国町長は昨年8月の豪雨で被災したJR米坂線の早期完全復旧に向けた働きかけなどを求めた。吉村知事は政府やJRへの要望活動に加え、沿線活性化の重要性を指摘。「費用負担の話は避けられないが、それだけではギスギスする。沿線7市町村で“米坂線復活絆まつり”のようなイベントを一緒にやって、結束を強め、機運を高めることが大切だ」と述べた。

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