飛ばし屋・櫻井心那がハマる素振り棒 あれ?「ダワ筋」じゃない?

富士通レディスから使っている素振り棒(撮影/服部謙二郎)

◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 事前(25日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6650yd(パー72)

昨年ステップアップツアーで年間5勝を挙げた櫻井心那は、その勢いのままレギュラーツアーに乗り込み大活躍。今季4勝を挙げて獲得賞金も堂々の1億円越え(賞金ランク6位)と、とどまることを知らない。まだ19歳のツアールーキーというから末恐ろしい。

ダワ筋スティックのグリップと球体(撮影/服部謙二郎)

彼女の強みは何といってもその飛距離。平均257.13ydでランキング3位につける。そんな飛ばし屋が最近ハマっている「素振り棒」があるというので見せてもらうと、丸いゴムのような球体が両端についた1Wほどの長さの棒。あれ?どこかで見たことがあるぞ…。そうだ、男子ツアーで流行りつつある「ダワ筋スティック」ではないか。男子で幡地隆寛がコレを振っていたが、同じ飛ばし屋の櫻井が振っているとなったら、こりゃ飛距離アップが期待できる練習器具に違いない。むむむ、かなり気になるぞ…。

いろんな効果を感じているという(撮影/服部謙二郎)

聞けば、今シーズン櫻井のエースキャディを務める古賀雄二氏に勧められて「富士通レディス」から振り始めたそうで、練習前後に必ず使っているという。「今までは練習を始める前に、クラブを2本持って素振りしていましたが、これを振って以来いい感じなので、使い続けています」

知らない方のために説明しておくと、「ダワ筋スティック」は東北福祉大ゴルフ部出身のドラコンプロ和田正義が監修した820gもある重たい素振り棒。単に重いものを振るストレッチ効果だけでなく、棒を天地ひっくり返して振ると、バランスが軽くなり、軽いものを速く振る練習にもなる。効果はまだあって、インパクトに向かって腰が前に出てくると、グリップエンドにある球体に腰が当たり、うまく振れなくなる作りになっているのだ。

重たい側を持って左素振りも(撮影/服部謙二郎)

櫻井もダワ筋を振ることでその2つの効果を肌で感じている。「(棒を振るのは)打つ前と打ったあとのストレッチの意味合いがひとつ。もうひとつはスイングの“フトコロ”作りに役立てています。インパクトで体が丸まった状態になると、手を通すスペースができ、フォローでしっかりと左に振れるんですよ」と飛ばしのコツを解説。

練習場で素振りアドレスで球体をお腹につける(撮影/服部謙二郎)

古賀キャディによれば、弾道測定器トラックマンの数値では、1Wショットのヘッドスピードが平均45m/s近く出ているという。「バランスを保つために、左(打ち)でも素振りをしています」と、その重さのあるスティックで左素振りも軽々とやってのける。それにしても、ホントに体強いなぁ。まさに飛ばし屋養成素振り棒の「ダワ筋スティック」。こりゃ、あなどれんぞ。(埼玉県飯能市/服部謙二郎)

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