運命のドラフト会議 ミスター “ドラフト取材” 安倍昌彦さんが広島カープの指名をズバリ「カープの向こう5年が決まる」

運命のプロ野球ドラフト会議。ことしは、非常にレベルの高い選手がそろっているといわれている。そこで、ドラフト取材の第一人者・安倍昌彦 さんに注目ポイントを聞いた。

ドラフト評論家 安倍昌彦 さん
― ことしのドラフト会議の位置づけは?
「ドラフトっていう制度が始まって60年近く経つんですけども、その中でもトップ5、もしかしたらトップ3に入るぐらいの人材豊富な年ですよ。ことし、上位で獲ったピッチャーが例えば3人いるチームが2つあったとする。片方のチームは、5年後に5年後に30勝した。だけど、もう片方の3人は5年経っても5勝しかできない。シーズンで25勝の差が出る。それぐらい恐ろしい。首位とペケみたいな、それぐらい、近未来にものすごく大きな影響を与えかねないドラフトですから。4人ぐらいのピッチャーの中で1人獲れれば、もしかすると、カープの歴史が変わる。
それぐらいの人材がいるんですよ」

球団の歴史を変えるほどの実力を秘めた4人の投手―。

中央大学 西舘勇陽
青山学院大学 常廣羽也斗
専修大学 西舘昂汰
亜細亜大学 草加勝

そのうちの1人は、すでにカープが1位指名を公言している青山学院大学の 常廣羽也斗 です。

安倍昌彦 さん
「ぼく、カープの歴代のピッチの中で言ったら 前田健太 投手が重なります。非常にスリムで背格好もよく似ている。しなやかなフォームからアウトロー/インローにピシャピシャと150キロが決められる。カーブがある。スライダーがある。フォークもある。そういうピッチャーなんですよね。高校時代に酷使されていないので上がり目、伸びしろも十分あると思うんですよ」

大学生投手を中心に逸材がそろうことしのドラフト。チームの未来のため、2位以降の指名も重要になります。

安倍昌彦 さん
― 2位・3位で指名するなら
「1人…。うーむ。ことし、広陵高校(広島)の同期のピッチャーですばらしいい左ピッチャーが2人いるんです。明治大学の 石原勇輝 投手と、大阪商業大学の 高太一 投手。2人とも高校時代はエースじゃなかった。エースは今、カープにいる 河野佳 投手ですね。この2人のどっちを取るかだな。明治大学の石原くんかな」

― 2位でいますかね?
「ウェーバー方式だからカープはちょっと後の方でしょ、リーグ2位だから。それがちょっと痛いんだな。2巡目の頭ぐらいのところでもっていかれちゃうかも、左だし。左はお値段が高いです。ちょっとそういう心配あるんですけども、石原投手の場合は、“クロスファイヤー” 。左ピッチャーしか投げられないクロスファイヤーと、あとチェンジアップっていう魔球がある」

「高太一 投手も同じようなクロスファイヤー、すばらしいクロスファイヤー、すばらしい角度のあるボールを持っているうえにカーブがある。あとフォークボールがある。どっちも捨てがたい」

― スカウトの腕の見せ所、下位指名で獲るなら?
「下位で獲りたいとすると、ぼくだったら 新井貴浩 監督の現役時代みたいな選手ですね。ぴったんこのがいるんですよ、ことし。大学生なんですけど、三重の皇学館大学っていう、伊勢神宮の中にあって、そもそもは神主さんを養成する大学なんです。そこに 村田怜音 選手っていう1メートル98センチ・100キロ、右投右打、ファースト・サードもできる。外野も守れる。打てば、センター方向に見えなくなるほど飛ばせるっていうパワーもある」

球団の未来を左右するドラフト会議。ことしも数々のドラマが生まれるのか。このあと、ついに始まります。

ドラフト評論家 安倍昌彦 さん
「ことしのドラフトでカープの向こう5年が決まります」

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